[issued:2005.11.01]
地盤液状化解析システム
Soil Liquefaction Analysis System
構造物と液状化地盤の挙動をコンピューターで時々刻々追跡して、
構造物の安全性と液状化対策の効果を判定します。
概要
兵庫県南部地震以降、レベル2地震動と呼ばれる巨大地震に対する液状化診断、液状化対策が求められています。巨大地震に対しては、指針・基準による液状化判定だけでは構造物の安全性や液状化対策の効果を定量的に判定することは非常に困難です。
そこで、コンピューターにより液状化の発生とその挙動を時々刻々解析できるプログラムを用いて、構造物と液状化地盤との動的相互作用を追跡し、構造物の塑性化を考慮して安全性と液状化対策効果を判定できる解析システムが必要となります。
盛土の液状化による沈下解析事例
地中構造物の液状化による浮上がり解析事例
※赤色で表示された箇所が液状化に達したことを示します。
特徴とメリット
特徴
- 地震動による過剰間隙水圧の上昇だけでなく、過剰間隙水圧の消散が解析できるため、ドレーン系の液状化対策の評価ができます。
- 2次元だけでなく3次元バージョンもあり、より精度の高い評価ができます。
- 構造物の塑性化までモデル化できる要素ライブラリーを備えており、巨大地震に対して経済的な設計ができます。
- 解析結果をCG等によりビジュアルに表すことができます。
お客さまのメリット
- 地盤の液状化の発生機構や状況を明らかにできるため、効果的な対策工の選定が可能です。
- 液状化発生時の構造物に作用する荷重を定量的に把握でき、液状化対策工の効果を評価できるため、液状化に対する経済的な設計が可能になります。
液状化診断・液状化対策評価のフロー
盛土の沈下、直接基礎構造物(例えば地上タンク)の沈下、地中構造物の浮上がり、護岸の液状化による側方流動、杭基礎構造物に対する液状化地盤の変位の影響、といった液状化特有の問題に対し、
1.液状化対策がない場合について解析を実施。
2.安全性の検討。
3.所要の耐震性能を確保できない場合は、液状化対策工を想定して再度解析。
4.所要の耐震性能を確保するよう液状化対策工の種類、諸元を変更して解析し対策工を決定。
適用例1-液状化対策工法の効果の比較検討
地上タンクの液状化対策4工法の評価に、2次元液状化解析を適用しました。
(無対策)
図中の赤色は過剰間隙水圧が上昇し液状化していることを、青色は過剰間隙水圧が上昇していないことを示します。
(地下水位低下工法)
地下水位低下工法は、地下水位を低下させることにより有効上載圧を増大させ、液状化の程度を低減させる工法です。
(グラベルドレーン工法)
グラベルドレーン工法は、震動により発生する過剰間隙水圧を即時に消散させて、液状化を防止する工法です。
(鋼矢板リング工法)
鋼矢板リング工法は、リング状に打設した鋼矢板により、構造物直下地盤の変形を抑制し、構造物
の沈下を低減させる工法です。
適用例2-地震被害事例のシミュレーション
兵庫県南部地震において液状化によりケーソン護岸が水平移動した被害事例を、2次元解析によりシミュレーションしたものです。赤い部分が液状化を表しています。実際の被害である数mという水平移動量を、ほぼシミュレートできました。