レジリエンスの未来

2015.02.13 フューチャーセッション「レジリエンスの未来5」開催レポート

開催概要

開催日時 2015年2月13日(水) 13:30~17:30
会場 丸の内 3*3LABO(さんさんらぼ)
主催 大成建設株式会社
連携・協力 株式会社フューチャーセッションズ
一般社団法人企業間フューチャーセンター
京都造形芸術大学外苑キャンパス
Planetary Design 講座(竹村真一教授)
当日のプログラム
13:30 - 14:00
1. チェックイン~問いの共有~
14:00 - 16:00
2. 多様な知識の集約
16:30 - 17:30
3. プロトタイピング
 ~具体的なアクションを生み出す~

参加者同士の対話を通じて、新たなレジリエンス社会を創造していくためのフューチャーセッション「レジリエンスの未来」。レジリエントな社会の姿を創造し、実現に向かうための具体的なアクションを、立場を越えて結びついた未来のステークホルダーとともに模索してきました。
第5回を迎える今回は、2015年3月14日(土)に開催される国連防災世界会議パブリックフォーラムでのフューチャーセッション「レジリエンスの未来6 in 仙台」に向けた集大成となります。世界に向けて発信する「レジリエンスビジョン」と「アクションプラン」を創造する新たな試みが、いまここから始まります。

[第1部] チェックイン ~問いの共有~

フューチャーセッション「レジリエンスの未来5」が、2015年2月13日(金)に3×3LABO(東京・千代田区)で開催されました。今回のセッションは、これまでの取り組みの一つの区切りでもあり、参加が予定されている2015年3月に開催される国連防災世界会議パブリックフォーラムに向けて、最終ラウンドのセッションとなります。初参加の方も含めて、産官学民からおよそ35 名の方々が参加されました。
セッションスタートにあたり、大成建設耐震推進室の小野眞司部長から当日のセッションの方向性と意義、コンセプトの説明がありました。

小野部長:私たちが暮らすこの社会は、突然何が起きてもおかしくありません。これまで経験したこともないような災害によって壊滅的な被害を受けたとしても、それを柔軟に受け止め、新しい社会へ向かっていくには、私たちの日常や社会のあり方、システムがどのような形になっていればよいのか? 私たちはそれを「レジリエンス」というキーワードを軸として考えてきました。その問いかけの場が、昨年2014年の3月から続けてきたフューチャーセッション「レジリエンスの未来」です。

これまでに4回のセッションを開催し、セクターを越えた多種多様な方々が結びつくことで、レジリエンスの未来を多くの賛同者・理解者とともに考えてきました。


問いかけ人:小野眞司
大成建設 ライフサイクル推進部 耐震推進室 営業部長

1回目から前回までのセッションでは試行錯誤の連続でしたが、防災や復旧というシーンをさらにストレッチし、極端な状況を作り出すことで、現代社会が持つ課題を探っていきました。そこからいくつものレジリエンスプロジェクトが提案され、実践されました。

そして前回の「レジリエンスの未来4」では、それまでのセッションで浮かび上がってきた「地域」「都市」「企業」「食」といったそれぞれのレジリエンステーマをさらに掘り下げ、レジリエンスの本質を探りながら、そこに向かうアクションプロジェクトの創造に挑戦しています。

現在、レジリエンスへの注目度は、海を飛び越え世界中で高まっています。2013年に開催された世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)では各国のレジリエンスが取り上げられ、日本は「経済力は高いのにレジリエンスは非常に低い国である」というショッキングな評価がなされています。最近では政治、経済、環境、技術、人材育成といったさまざまな分野でレジリエンスに関する書籍も出版され、多く見かけるようになっています。次回のフューチャーセッション「レジリエンスの未来6 in 仙台」は、国連防災世界会議のパブリックフォーラムとしての開催になりますが、世界会議のメインテーマはレジリエンスだと聞いています。
国家的にも、そしてそれを支える企業的にも、また個人の持つ能力やコンセプトとしても、レジリエンスという概念が大きく注目を浴びてきていると思います。

国連本部UNISDR(国連防災機構:ジュネーブ)では、レジリエンスには明確な定義はないとしながらも、<ハザードなどの危機的状況にさらされたときに、適切な抵抗またはそれを受容し、創造的に回復するとともに変化した環境に創造的に適応していく能力>といった表現となっています。
ここでもっとも大切なことは、ハザードによって受けたダメージを吸収・受容できる能力によって、創造的な回復を行う点です。突発的な事象で街のファシリティが破壊されたり都市の機能が損なわれたとしても、人としての生活や営みに大きな支障が出ず、受けた教訓を元に以前よりも暮らしやすい社会を創り出す能力をレジリエンスと捉えれば、そこに創造性が必要だということがおわかりいただけると思います。「レジリエンスの未来」は、未来志向でそれを考えていきます。

今回のセッションでは、これまでのセッションで見えてきた社会に存在する多くの課題・問題を解決するためのビジネスモデル、生活モデル、社会モデルを見直すことで何が見えてくるか注目したいと思います。さまざまな課題分野における創造性を融合させることで、新しいレジリエンスの未来に向かうアクションやプロジェクトを生み出していけると考えています。それではセッションを始めましょう。

今回のフューチャーセッションでは、新たなレジリエンステーマを創造するとともに、そこに創造性というエッセンスを加えることで生まれる“レジリエンス的な視点”に注目する。

続けてファシリテーターの野村さんから、セクターを越えた立場から参加されてきた方々に向けて、新たなレジリエンス社会を構築するフューチャーセッションを進めるプロセスの説明がありました。

野村氏:今日この場にはいろいろなセクターの方がいます。ソーシャルセクターに身を置いてレジリエンスに取り組んでいる方もいらっしゃいますし、企業のお立場からレジリエンスのビジネス活用を考えている方もいます。また、行政サイド、いわゆる自治体からや、一つ一つの社会問題を多角的にとらえようとしているNPOの方もいらっしゃいます。

これまで「レジリエンスの未来」では本当に多くのプロジェクトが生まれていますが、最終的にどのプロジェクトやアイデアが継続しているかを考えたとき、企業が有するビジネスの力をいかに活かすか、行政がどうやってサポートするか、はたまたボランティアリズムをどのように活用すべきかといった多彩なファクターが、「レジリエンスの未来」というプロジェクトを加速させる要因になると思います。


ファシリテーター:野村 恭彦氏(イノベーション・ファシリテーター)
株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役社長
K.I.T(. 金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授
国際大学GLOCOM 主幹研究員

企業は自分たちにだけ都合のいい未来ではなく、社会にとって本当に価値のあるサービスや事業を社会あるいは地域の人たちと一緒になって目指していき、地域も自分たちだけでなく、社会問題の解決に取り組んでいるNPO メンバーや企業の力を使ってよりよくしていく。そしてまた社会問題を解決しようとしている方々にとっても、自分たちだけで解決するのが難しいため、企業や行政の力を借りて実現していく──こうしたセクターを越えた協力関係を持続的に構築することが、もっとも難しく、もっとも価値があることだと考えています。

今日参加していただく皆さんは、本気で「レジリエンスの未来」を考えている方々です。そうした熱意を原動力として、それぞれのセクターのメンバーが一丸となってプロジェクトを進めていく、持続的な仕組みを作っていければと考えています。


第3回国連防災世界会議 仙台開催実行委員会「レジリエンスの未来」は、第3回国連防災世界会議パブリックフォーラムに参加します

大成建設は第3回国連防災世界会議を応援しています