[issued:2007.04.15]
耐震診断と耐震補強を考える
ー耐震診断の必要性と耐震補強プロジェクトの進め方ー
建物の地震に対する強さを判定する耐震診断。
このコーナーでは、建物の耐震性とは何か?について解説するとともに、最適な耐震補強プロジェクトのための基礎知識としての「耐震診断」と「耐震補強」について解説します。
人間でいうところの精密検査にあたる「耐震診断」
一般的に1981年(昭和56年)の建築基準法改正(新耐震設計基準)以前の設計による建物は、現行のもに比べて耐震性が低いといわれています。
これは、阪神大震災をはじめとした過去の地震被害の結果からも明らかになってきました。
しかし、建物の耐震性というのはいったいどのようなことなのでしょうか?
的確な耐震補強計画を検討する上では、建物の耐震性について正しく理解し、対象となっている建物の性能を正しく把握・評価することが重要です。
耐震補強は人間でいうと大きな手術にあたります。では、どこを手術し、どのような処理をすれば、求めている耐震性能が得られるのでしょうか?また、手術の方法も、どのような方法で行えばいいのでしょうか?
まずは、「建物の耐震性能」に関する理解から始めてみましょう。
地震による建物被害と建築年代
阪神大震災における建物被災状況
地震に対する被害は、その大きさに応じて軽微から崩壊までの5段階のランクを定めています。記憶に新しい1995年の阪神淡路大震災では、いわゆる新耐震基準(1981年決定)以前の基準で建てられた建物に被害が集中しました。
建物の被害で特に顕著に見られたのは「ピロティ形式での1階部分の破壊」、「鉄筋コンクリート造の建物での中間層破壊」、「鉄筋造建物での柱と梁の溶接部や柱脚での破断」などです。
地震の活動期に入ったといわれる日本
このコーナーでは、地震発生のしくみ等の基礎知識から、現在想定されている切迫性のある地震はどこなのか等、日本の地震環境についてわかりやすく解説しています。
新潟県中越地震の被害と教訓を基に、震災から生活、事業を守るためにはどうするべきかを考えます。
耐震診断の必要な建物は?
鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造が耐震・耐火建築物として我が国に広く普及はじめたのは、1932年の関東大震災のころからです。その後、震度法による耐震設計法の普及に始まり幾多の地震の経験を踏まえ、法規の見直し各種設計基準の改定が行われてきました。
1971年以前の設計を「旧耐震の設計法」、1981年までを「移行期の設計法」、1981年以降を「新耐震の設計法」と呼ぶことがあります。特に81年の改正では、「耐震」に対する考え方が根本的に変更されており、構造の計算基準そのものが改訂されています。そしてその後の大きな地震、とりわけ1995年の 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では、1981年(昭和56年)以前の旧建築基準法で建てられた建物に大きな被害が集中したこともわかってきました。
建築基準法の変遷
1981年の改訂で耐震設計法は根本的な概念から見直されました。
これらのことから、旧耐震基準で設計され施工された古い建物は、大地震時に倒壊・崩壊する危険性がないか、確認する必要があり、原稿の「新耐震基準」と照らし合わせてどの程度の耐震性を持っているかを判断する「耐震診断」が必要とされており、それらの事を定めた法律として「耐震改修促進法」が施行されています。
なお、新耐震以前に建てられ、耐震診断や耐震改修などによって現行の法律の適用を受けていない建築物は、当時の法規によって確認されたものですので「法違反」とはなりませんが「既存不適格」ということになります。特に「多数のものが利用する」一定規模以上の建物は「耐震改修促進法」によって、所有者の方に「耐震性の確認と必要がある場合の耐震改修」についての「努力義務」が規定されています。
「待ったなし」で進む行政の地震対策への取り組み。その傾向と対応について概観するとともに、何が必要か、どうすべきかについて考えていきます。
大成建設では目的に応じて診断メニューをご用意し、耐震化プロジェクトにおける最適な補強方法、コスト、工期の実現を支援しています。