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[issued:2008.11.20]

特集:経営戦略とBCM

BCMの国際標準化と日本企業のこれからの課題

-企業価値を高める経営システムとしての取り組みとして-

企業の「経営システム」の根幹としての位置づけから日本企業はBCMをどのように構築すべきか、インターリスク総研の篠原雅道さんに伺いました。

篠原雅道ポートレイトBCI日本支部代表
株式会社インターリスク総研
研究開発部リーダー
篠原雅道

1. 

BCM普及の現状とその背景


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2007年11月、事業継続マネジメント(BCM)の英国規格 「BS25999-2」が発行されました。
これはBCMをより実効性のあるものにするために、第三者機関が審査・認証するための規格です。UKでは認証機関を6社が手を挙げたパイロット事業として取り組みが開始されており、認証取得企業も出ています。
さらに2、3年後にはISOによる国際規格として発行する準備も進められており、品質や環境ISOと同様、ますます日本企業の注目を集めています。
しかし、BCMに取り組んでいる企業から、「BCPにどこから着手するのか、作成がうまくいかない」、「BCMに取り組んでいるが現実的に運用できるのか」、「BCMへの取り組みが単発的で継続できていない」といった声も聞かれます。
内閣府、経済産業省、中小企業庁、あるいは各業界からガイドラインや指針が出ていることも、BCMの現場での混乱を助長しているようにも見受けられます。 今回の特集では、国内で国際標準化の最前線に立たれている篠原さんへのインタビューを通じ、BCMの世界的な潮流を伺い、製造業を中心とした日本企業にとって真に有効な BCMとは何かを探りたいと思います。

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1-1. 日本企業における BCMの普及と背景
 


(インターリスク総研調査から)


■BCMは日本企業でどこまで普及してきましたか。
篠原:
日本の場合、BCPの策定イコールBCMに取り組んでいるということになってしまっており、上場企業の約半数がBCM構築に取り組んでいます。その範囲は、自社はもちろん連結対象会社、さらには取引先や協力企業へと、幅広く業務、経営を支える要素へと広がっています。
 


■サプライチェーンへの問題としてとらえられてきているのですね。
篠原:
そうです。2007年7月の中越沖地震で象徴的な事態が起きましたね。有力な部品メーカーの操業が停止してしまい、そこがボトルネックになって国内自動車メーカーがすべて1週間程度の製造中止に見舞われました。BCMがサプライチェーンの問題であるということ、さらに経営自体の問題であるということが明らかになりました。

■国内の代表的な自動車メーカーが多くの人を送り込んで復旧にあたっていました。
篠原:
発災の直後、あれだけ迅速にメーカーの人間が復旧に動いたということは、どの部品が、サプライチェーンや生産への影響度が大きいかを明確に把握し、発災時には誰をどの取引先に派遣するといったことまで取り決めた、しっかりしたBCMを構築していたという評価ができると思います。

■BCMの取り組みが企業の評価に繋がった訳ですね
篠原:
一方で、インターリスク総研の調査によると、全産業の約半数が、基幹業務が停止した場合の許容できる停止時間は1日未満としています。企業の中のどのような業務、経営資源、製品、サービスを優先的に守るかを決めるというBCMの基本は重要で、今後BCMに取り組む企業が増えるでしょう。
事業継続への取り組み動向

事業継続性に対する意識とその手法であるBCMへの取り組みや具体策であるBCPの策定への取り組みはこの1年ほどの間に大きく変化しつつあるといえるでしょう。

新潟県中越地震での事業継続への影響

新潟中越地震における企業の被害状況から、事業再開に影響を与えた要因(ビジネスインパクト要因)についての分析結果です。
今後の事業継続管理(BCM)のあり方と事業継続計画(BCP)策定の方向性を探ります。


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1-2. 経営戦略とBCM
 

 ■BCMは企業経営を左右するということがますます明らかになってきました。
篠原:
これまでの日本企業は経営管理としての内部統制への取り組みに多くの労力を使ってきました。それが一段落すれば、次は経営戦略、経営管理としてのBCMへのより本格的な取り組みが始まるものと予想しています。つまり、経営が、事業継続のために、平常時そして緊急時双方において、人、モノ、金、情報という経営資源を管理(マネージ)する枠組みのひとつとしてのBCMです。



■経営システムとしてBCMを構築するためにはなにが重要になるでしょうか。
篠原:
まずは経営層の理解が重要であるということです。最近は、政府や監督官庁からの要請に加えて、先ほどお話した取引先の要請、新型インフルエンザの脅威に対する行政や企業の取り組みの発表など、事業継続への脅威とその影響度に関する情報が経営層に直接届き、その認識も深まっています。経営層がBCMの経営にとっての重要性を理解しコミットすることにより、企業のBCM担当者、従業員のモチベーションがあがるという効果は大きいと思います。
インターリスク総研

インターリスク総研では、リスクマネジメント体制構築、BCP(事業継続計画)策定、地震対策、危機管理など企業・組織における各種課題の見直し、拡充に最適なソリューションを提供しております。

BCI Japan Alliance

BCI Japan Allianceは英国BCI(Business Continuity Institute)の趣旨に賛同して、BCM(事業継続経営)の重要性を日本でも普及・啓発していこうという企業等のボランタリーな協業組織です


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