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Special >> BCMの国際標準化と日本企業のこれからの課題
2-1. 国際規格化への動向
■篠原さんはBCI(Business Continuity Institute)というBCM普及のための日本支部代表ですね。
篠原:
正確、タイムリーな海外のBCM動向を国内に伝え、BCMが経営管理システムとして企業価値を向上させるということを理解してもらいたい思いから引き受けさせていただいています。海外のある調査によると、世界で発生した25件の大災害・事件・事故に対し、事業継続がうまくいった企業は株価が長期的にも10%程度上昇し、うまくいかなかった企業では15%くらい下落しています。
BS25999-2発行までの経緯
■国際規格の普及を中心に活動されているとか。
篠原:
最近では、2007年11月に発行されたBCMの英国規格 「BS25999-2」という、事業継続の目標を達成するためのシステムBCMS(Business Continuity Management System)を第三者機関が審査・認証する規格のための仕組みや人材教育を推進しています。さらに、BS25999-2はISOのよる国際規格化の動きが始まっています。
■国際規格になるとBCMSの構築が加速しますね。
篠原:
国際規格化まではあと2、3年かかるようです。またISO(国際標準化機構)では、対象を営利組織に限定しないようにするために、BCMではなく、OCM(Operational Continuity Management)と名づけて議論されています。現時点では、世界的に40〜50社がBS25999-2の認証を取得しており、認証待ちの企業が300社、BCMSを構築している企業は500社あると言われています。米国では米国規格協会が、BS25999をベースに規格化を進めています。また英国では、警察、消防署などの行政が、認証取得を検討しているとの情報に接しています。
■BCMSへの取り組みは欧米が中心ですか。
篠原:
アジアでも活発化しています。韓国では複数の金融機関がBCMSの認証取得を完了しました。また、「企業のための災害自立支援法」が施行され、中小企業を含めた多くの企業へのBCM導入を推進するための優遇措置をとっていますし、シンガポールでも海外企業の誘致のために熱心に取り組んでいます。BCMSが経営にとって不可欠なものという認識は、国際規格化以前でも世界中に広まっています。
2-2. 日本企業の取り組み状況
■このような国際動向の中で日本企業の取り組みはどのようなものなのでしょう。
篠原:
日本企業では、既に3社が25999-2の認証を取得しています。BS25999-2は、緊急時の企業のゴーイング・コンサーンを対象にした規格であり、また国際規格に敏感な日本企業ですから、認証取得には熱心に取り組まれるのでなないでしょうか。認証取得が国際的な取引条件になる可能性もあります。しかしBSやISOの認証取得は、企業の事業継続性を高め、継続的に強靭な経営基盤を構築することが目的です。BCMSが業務に即したものであり、企業の組織文化に根ざしたものでなければ継続的には展開できません。そのために、企業は、BS25999を「上手く活用する」ことが望まれるでしょう。また、経済産業省など日本のBCMガイドラインも参考になることは言うまでもありません。
■そうあるためにはなにが必要なのでしょう。
篠原:
まずは自社の組織がどのような組織かを理解することだと思います。例えば日本企業にはBIA(Business Impact Analysis:事業インパクト分析)へのアレルギー、BIAを避けようとするところがありますが、まずは自社の現実を見つめることだと思います。既成概念に左右されずに現実を捉える姿勢が必要ですし、組織の中で自由に意見が言える雰囲気も、その企業にとって実効性が高く定着するBCMS構築につながります。
■あらゆる脅威に目を配るということですね。
篠原:
地震のみが日本企業にとっての脅威ではありませんし、それらがひき起こす結果事象を見た場合でも、例えば製品の生産ライン自体やサービス提供の場が壊れていなくても、復旧活動に必要な社員が出社できない、情報システムが稼動していない、建物に入れない など事業継続にとっては重大なことがあります。