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[issued:2011.11.16]

特集:次に備える3

減災対策への取り組み_その1

─ファシリティリスクの捉え方─

前回は「結果事象」からのアプローチによって、中核事業に必須となる重要ファシリティを特定した上で、「何らかの原因」により重要ファシリティが使用できない場合の対応策を検討しました。今回は、こうして特定した「重要ファシリティ」が被災することで「中核事業が停止してしまうというリスク」を低減させる「減災対策」の進め方について、例を交えてご紹介します。

関山雄介ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部 FM推進室
課長
関山雄介

1. 

ファシリティと業務への影響


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リスク要因の優先順位

ファシリティリスクマップ

ファシリティリスクマップ


重要ファシリティの機能継続を脅かすリスク要因は様々です。
自然災害の地域性、重要製品の特長によるセキュリティレベル、社会インフラの整備状況などを考慮して、効果的な減災対策を実施するには、検討するリスク要因自体の優先順位付けも重要になります。
特に日本においては、その立地性や海外からの関心度の高さからも、地震への備えは最も高い優先順位と言えるでしょう。
そこで以下、地震リスクを例に挙げて、ファシリティリスクの捉え方と減災対策の実際を解説していきます。
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震災から学ぶ

3月11日に発生した東日本大震災は各地で多大な被害を及ぼしました。ここでは、その中でも特徴的だった被災事例をいくつかご紹介します。

事例の1つ目は、まず今回の被災では構造体に大きな損傷がない場合でも、天井やパーティションといった非構造部材の落下・転倒が多かったことが挙げられます。
特に天井落下の被害はニュースでも多く取り上げられました。
原因としては、十勝沖地震や岩手・宮城内陸地震と比較して、震度4以上を観測した時間が2倍〜3倍に達した地域があるなど、地震動の揺れが長く続いたことによる影響が考えられます。このように長く揺れると天井に損傷を与える可能性が高くなるためです。
 
東日本大震災での各地の揺れ方

東日本大震災での各地の揺れ方


支柱の高いOAフロアでは、パネルのめくれ上がりによる被害が多く発生しました
OAフロアのチェック
支柱の高いOAフロアでは、パネルのめくれ上がりによる被害が多く発生しました

2つ目には、OAフロアの被災が挙げられます。
OAフロア内にある支柱とパネルを固定していない場合、パネルがめくれあがってしまう状況が発生しました。
こうした被災例は、特にサーバルームなど支柱が高い場合に多く発生しており、OAフロア上部に設置されている機器類などの転倒リスクも高くなります。
引き抜きによる固定金具の変形
引き抜きによる固定金具の変形
最悪の場合は、機器が金具から外れ転倒する場合もあります

3つ目として、生産装置も被災しました。
床に金物で固定していても、今回の大きく、長く続く地震動に耐え切れず、固定金物のせん断破壊や引き抜きが発生した結果、多くの装置が移動・転倒してしまいました。
固定金具の回転
固定金具の回転
回転により固定が解除されたり、金具自体が破損する恐れがあります

4つ目として、自動倉庫も多くの被害を受けました。しかし、このケースは他の被災例と少し違う特徴があるようです。
それは地震によるラック自体の構造的な被害は少なく、被害の多くはラック上部に保管された積荷の落下が原因となっている点です。
そのため、自動倉庫の地震対策としては、ラック自体の地震対策に加えて、荷の落下による被害をいかに少なくするかが大きな課題と言えるでしょう。
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きめ細かな減災対策の必要性

先に述べたこれらの被害は、建物自体の損傷はそれほど大きくない場合にも見受けられました。
そこで言えることは、工場の「生産機能の継続」に着目した場合、構造体が堅牢なだけでは十分とは言えないということです。

結論として、生産装置、天井や壁といった非構造部材、建築設備、さらに工場建物以外の構内にあるユーティリティなど、「重要業務に必須となる重要ファシリティは何なのか」を見極めた上で、その全てに目を配り減災対策を施すことが重要だと言えるでしょう。
新潟県中越地震での事業継続への影響

新潟中越地震における企業の被害状況から、事業再開に影響を与えた要因(ビジネスインパクト要因)についての分析結果です。
今後の事業継続管理(BCM)のあり方と事業継続計画(BCP)策定の方向性を探ります。

非構造部材や設備の地震対策を考える

事業継続のカギを握る設備や非構造部材の地震対策。その効果を最大限に発揮するにはどのように取り組むべきかを検討していきます。


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