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[issued:2012.02.15]

特集:次に備える6(最終回)

実効性の高いBCPに向けて

「事業継続」の視点から、これまで業務停止に対する様々なリスクシナリオを取り上げ、その対応策を検討してきました。今回は、これまでの連載を総括し、万が一へのリスクを乗り越えるための「BCP構築と運用」における展望と心構えをもってこの連載を終えたいと思います。

関山雄介ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部 FM推進室
課長
関山雄介

1. 

BCPのこれまでとこれから


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日本での取り組み状況の変遷

2001年に起きたアメリカ同時多発テロの際、迅速なビジネス継続を行った企業もあったことで、BCPはその有効性が再認識されました。これを機に、日本でも取引先からの要請を受ける形で、特にグローバルなサプライチェーンに組み込まれている携帯電話や半導体関連のメーカーから徐々にBC活動が浸透していきました。
その後、新潟中越地震などの影響もあり、自動車の部品メーカーに対するBCP策定の要請が及んだものの、2008年のリーマンショックでその勢いも一時停滞してしまいました。しかし、2011年3月11日の東日本大震災により、現在、あらためてBCPは注目され始めています。

未曾有の震災という経験を経て、企業のリスクへの考え方にも以下のような意識の変化が起きています。

工場単体から「グループ単位によるBCP」の構築
地震リスクから「津波などの水害リスク」への推移


またメーカーについては、取引先からの要請によるものではなく、価格競争の激しい中、他社との差別化を図るうえで自主的にBCPに取り組もうとする企業が多く見受けられるようになりました。

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ISO化への状況と日本の施策

BCPを効率的に構築するには、ガイドラインを参考にするのが近道です。
日本においても内閣府の発行した「事業継続ガイドライン」や経済産業省による「事業継続計画策定ガイドライン」が発行されています。中小企業庁は中小企業向けに「BCP策定運用指針」を発行しウェブサイトでのサービスも行なっています。また東京商工会議所、不動産協会、情報処理推進機構などからもガイドラインが発行されています。
しかし、唯一の「第三者認証」として世界中で取得が進んでいるのは、英国規格協会(British Standard Institute)が2006年に発行した、BS-25999になります。この規格が、現時点で事業継続のISO化(国際標準化)の最有力候補の指針と言えるでしょう。

日本でも一部の製造業では認証取得を図る企業も出ています。現時点でこの企画に準拠した取り組みを行っていれば、いずれISOが策定された際にも、差分に対応するだけで早期取得ができると見込んでの対応と考えられます。
 
BS52999-1目次と構成

BS52999-1目次と構成

2012年にはISO化が実現される予定となっており、注目を集めています。しかし、これは策定したBCPがマネジメントシステムとして妥当かを評価するものであり、地震が発生した際にどのように対応するかといった具体的な取り組みについては規定がありません。 個別のリスクに対する具体的な対応は、自社内で評価するシステムが別途必要です。

ちなみに、アメリカ国土安全保障省(Department of Homeland Security)では、3つのうちどれかを採用することを推奨しています。

BS25999(英国規格協会)
NFPA1600(米国防火協会)
ANSI SPC.1-2009(米国規格協会)

これまでのBCP構築と運用は、企業が独自で進めていたケースが多くありました。しかし、その実効性が高く問われ始めている現在では、取引先への説明責任も含め、第三者による評価や認証の必要性が今後ますます重要になってくると思われます。
 
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