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[issued:2006.07.15]

特集:デザインと耐震 序章

-Start of architecture reformation-

建築のストラクチャー(構造)は建築のデザインを実現する手段であり、その整合性が建築の完成度や美しさだという見方がある。
一方でストラクチャーの新しい試みがユニークな建築デザインに展開することもある。

この特集では、建築設計者と構造設計者の対話を通じ、デザインとストラクチャーの豊かで多様な関係性の中でイノベーションを続けていく建築の可能性を探って行きたい。

構造のわかる会ポートレイト特集:デザインと耐震
プロローグ座談会
構造のわかる会

3. 

論議1:"Re"の要請


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付加される要素としての「耐震」







構造:
最近、既存建築のリニューアルやコンバージョンへの対応が仕事として増えていますね。

建築:
その動向は、建物は使えなくなったら壊して建て直せばいいというのではなく、持続させるものという意識が、90年代のバブル崩壊以降、強くなってきたことに端を発しています。スクラップ&ビルドの対象として建築を捉えるのではなく、ストックとしていかに持続的に活用していくかという発想への転換です。スクラップにせず、廃棄物をできるだけ出さないことで、環境負荷の低減につながるという環境面への貢献という面も大きくなっています。
構造:
さらに、阪神淡路大震災をきっかけに耐震補強という既存建物の価値や機能維持の手法が急速に注目され、当社も他社に先駆けて、技術開発に取り組み、導入してきています。

建築:
リニューアル、コンバージョンは、耐震補強とセットになっているものが多いですね。しかも、デザインの見直しや再構築も伴います。しかし、ここで難しいのは耐震補強をすると、デザインを変えざるを得ないということです。耐震補強においては既存の建物では不足していた耐震性能を高めるための要素:壁やそれに代わるブレースといったいわばデバイスの追加が必ず必要になるからです。それらを出来るだけ排除するためには、免震や制震などの方法もありますが、それらも制震装置、免震装置というデバイスが必ず必要となります。
耐震性を確保するためには、こうしたデバイスの配置バランスも問題になります。

構造:
耐震補強が主たる目的である場合でも、元のデザインを崩したり、デバイスがデザインとまったくかみ合ってこなくなるということへの抵抗が強いということですね。


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建物の再生とデザインの継承

建築:
特に歴史的に価値のある建築の保存のような場合は、デザインを継承すること目的とされますので、付加すべき耐震の要素をどのように入れていくのかは、慎重に考えていく必要があります。
また、一般的なリニューアルやコンバージョンでも、その目的に用途や機能を継承するのか変えるかの違いはあっても、耐震要素を建築デザインの視点から捉えていくことが不可欠となっています。


構造:
耐震のために必要な壁やブレースを「一つの装置:デバイス」と考えると、それ自体もデザイン性がある必要がでてきませんか?
元のデザインになじませる、あるいは新しいデザイン要素として主張し付加するという両極の考え方があると思います。



建築:
リニューアル、コンバージョン、耐震補強など、既存建物の再生するためにも、そこに組み込まれるデバイスやストラクチャー自体の性能、さらにそのデザインがますます重要になっています。
さらに言えば、日本人がほんとうに求めている建築デザイン、性能、機能とは何なのか、そういった見直しも含めて、日本の建築を考え直す時期なのでしょうね。
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