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[issued:2007.09.19]

特集:耐震補強の現場 その1

ユーザー本位の耐震補強を目指して

耐震補強の進化には、単にお客様から提示された課題に応えるだけでなく、ファシリティにかかわる様々なステークスホルダーの立場から、それぞれが抱える重要な問題点を明らかにしていく必要があります。
今回の特集では、お客様にとっての最適解を追求している大成建設の「耐震補強ソリューション」の多様な側面、担当者の意識・実感、そして実際の取り組みについてお届けしたいと思います。


2. 

テーマ1:耐震診断の結果を伝える難しさ


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テーマ1:耐震診断の結果を伝える難しさ



 
小山:
お客様が耐震診断を依頼される理由は、自分が保有する建物に充分な耐震性能があるかどうか、大地震でも建物がもつかどうかを知りたいためです。しかし。構造検討結果を充分理解するのは容易なことではありません。耐震診断のアウトプットは構造技術的な内容であり数値です。しかし耐震性能の基準であるIS値が0.6以下だと耐震性能に不安があると説明しても、ではそれ以下だとどのような被害がでるのか、どのように壊れるのかという質問には充分に答えきれていません。また、その説明のニュアンス次第では、悲観的にも楽観的にも捉えられてしまいます。
Is値が0.6となっても、多少の被害は避けられない
*Is=0.6の性能では、建物の被害を小破や中破程度以下にとどめ、崩壊・倒壊等の大きな被害を受ける可能性は低くなるが、無被害を補償するものではない。

杉崎:
とにかく自分の建物が地震に耐え得るのかどうか、その現実を知りたいということですね。しかし、一般の方と専門家の方の間には、耐震性能に関する認識や専門知識におけるギャップがあります。専門家のコミュニケーション能力や手段の問題なのかもしれませんが、説明の難しさはつねにつきまといますね。

小山:
例えば、この建物は大きな地震が発生しても大丈夫と言っても、その大丈夫だということの意味が、建物にひびも入らないということなのか、部分的に壊れるが人命は救われるということなのか、その解釈には大きな幅があります。また、この建物はあと何年もつかと問われても、どんな地震が起きるか分からないので答えることが難しい。そういった説明を、設計者としては自分の印象ではなく数値で示すのですが、それが一般の方にとっての理解し難さになっていることも事実です。
(図版:診断報告書の内容一部)

杉崎:
いずれにしても、どんな建物であっても100%壊れないとはいえないわけですよね。建物の構造体がもっても、壁、天井、サッシといった非構造部材、設備、備品が破損することもあるわけです。それでは建っていても使えない建物になってしまう。


小山:
どんなに診断を綿密に行っても、地震の規模や揺れ方をすべてシミュレートできるわけではないので、建物のどの箇所がどのように壊れるかということを事前に想定し完璧に説明することは困難です。ですから、お客様に対しては、過去の実例を参照しながらできるだけ具体的にご説明にご理解していただこうと努力しています。このIS値の建物だと、これくらいの地震の大きさでこの程度の被害をうけた、といった説明をし、さらにそうならないようにするために、このような耐震補強が考えられますという説明をします。診断結果と補強などの対策提案をつねにワンセットでご説明することにより、お客様の耐震性能に対する理解がより具体的、確実になっていくように思います。いかに誤解のないように伝えるかに腐心しています。


成田:
耐震診断結果や耐震補強の提案をスムーズに理解される方、受け入れる方は増えているのではないでしょうか。

小山:
企業の施設担当のほとんどの方は診断結果の意味、補強の必要性を概念的には理解されています。そこをいかに具体的に理解していただき、納得していけるかを、われわれ設計者が心がけなければいけないところだと思います。さらに、お客様に事実を踏まえ真摯に対応することを通じて、われわれ設計者自身を信頼していただけるようにならなければと思っています。


杉崎:
お客様には、設計者としての専門的なスキルをお持ちの方もいらっしゃれば、建物に関する専門知識をお持ちでない方もいらっしゃいます。高度な診断技術・能力と提案スキルをつねに鍛え、お客様とのコミュニケーションを通じて設計者への信頼感をいかに獲得できるか、われわれのプロとしての自覚や姿勢が問われるところですね。
耐震診断結果の読み方と補強目標の検討

耐震診断結果によって得られる耐震指標Is値。
一般的には補強計画においては、この指標が0.6を上回ることが目標となりますが、それはどのような耐震性能を意味するのでしょうか?必要な耐震性能を確保するためには、どのような点に注意して計画を進めればよいのでしょうか?

補強計画診断

ローコストかつスピーディに耐震性能評価を行い、耐震化プロジェクトにおける建物オーナーの方の素早い意志決定を支援します。


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