テーマ4:耐震補強の満足度を高めるために
小山:
耐震補強すると建物の価値が向上するという認識が広まると、その効果をアピールしたくなります。施設のバリューアップをどう表現するかということは、社内的な説得材料としてはもちろん、社会へのアピール手段としても、もっと考えるべきです。
それも、例えば耐震ブレースとはそういうものなのかと言葉で説明するよりも、実際にモノを見ていただくことが必要でしょう。言葉だけより、写真などイメージとして見ていただくことが、納得につながります。
最近ではデザイン性を考慮した耐震補強方法もでてきたので説明しやすくなっています。
杉崎:
耐震補強壁のデザインバリエーションを充実させ、外装リニューアルと耐震補強を兼ねて行うことも提案していますね。
小山:
外装での耐震補強は建物内部への影響を最小限にできるので、建物を使いながら補強するという目的にも適しています。
しかし、外装での補強では、建物の外装デザインへの配慮や、採光性、通風性、開放性といった環境性能への配慮が重要になります。そこで、当社のクロスウォールなど耐震補強壁の素材やデザインのバリエーションを増やし、外装に採用した場合のシミュレーションを行い、適用事例が数多くみせるよ形で提案すると、お客様の要望も明確化しやすく、コミュニケーションも活性化し、満足度の高い対応がやりやすくなります。
成田:
当社のノウハウや技術を総合的に検討することで施設全体を見据え、耐震性能、デザイン、環境性能など施設に関する多様な視点から要望をお聴きし、ご提案できるということですね。
小山:
耐震補強にとどまらす建物全体のバリューを向上させるという観点が重要です。
構造体はもちろん天井などの非構造部材の地震対策も行っています。建物の長寿命化、快適性向上、省エネ、バリアフリー化、事業継続性の確保など多様な提案を、幅広く、きめ細やかに展開し、お客様の信頼を得たいと思っています。
成田:
耐震補強が最初の要望であっても、補強工事の際に問題になることもあるアスベスト対策とか、内装を変えることによる機能性の向上とか、お客様が気づかないところまで提案していく、施設のバリューアップを総合的に提案していくことには、プロだからこそアドバイスできることとして、もっと意識的に取り組んでいくべきですね。そのために、数多くある実績を利用して分かりやすく説明すること、T-PALETを活用してお客様とのコミュニケーションを充実させて行くことを心がけたいですね。
小山:
現時点での課題に対する提案はもちろん、今後想定される施設バリューアップ対策のロードマップも併せて提案できるようになりたいと思っています。
施設はオーナーが変わると施設へのニーズも変わることがあります。しかし、建物の設計者としての責任はつねにその設計者に帰属します。われわれ設計者の立場からすれば、ある建物を媒介にしてお客様とは長くつきあうことになります。変化するお客様のニーズをつねにキャッチする鋭敏さを備え、課題が見出せればスピーディに提案する、そのためのコミュニケーション、お客様と話すことをもっと重視していきたいと思います。
成田:
T-PALETを活用し、対策や実際の建物を一対比較してお話を聞きながら、お客様の具体的なニーズを惹き出し明確化していくこと。そして現状を聴き、満足なところと不満のあるところ、そしてその理由も聴く、どう改善したいかもお伺いする。30分から1時間程度、T-PALETでお話をお伺いしますと、普段、組織内で言葉になっていない隠れたニーズも浮上してきます。
営業、意匠設計、エンジニアリング部門と一緒に実施することもあります。住宅事業本部でも導入を始めました。お客様も自ら自分の考えや感想を言葉にして、あらためて今後とるべき姿勢や方策への考えを深め、自分の考えの整理にもなると言われたこともあります。T-PALETを耐震補強の方向性の明確化やソリューションの満足度向上のためにも、どんどん活用していきたいですね。
小山:
T-PALETの手法は耐震補強でも充分活かせますね。お客様とのフレンドリーな関係、信頼感が築けそうです。そういった関係の中から、お客様の真のニーズを捉え、より満足度の高い耐震補強ソリューションを提供していきたいと思います。
耐震補強とリニューアル。オフィスに要求される種々の課題を解決し、最適なコストで最大の効果を引き出すためのポイントについて考えます。
事業継続のカギを握る設備や非構造部材の地震対策。その効果を最大限に発揮するにはどのように取り組むべきかを検討していきます。