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[issued:2015.12.28]

特集:免震レトロフィットの現場

福井市庁舎別館

大規模改修工事・耐震改修工事

福井市庁舎別館で実施されている「庁舎を使いながらの大規模改修工事・免震レトロフィット工事」の様子をご覧頂けます。


3. 

意匠設計者からのコメント


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今回、意匠設計を担当した玉井麻由子シニア・アーキテクトから、お話を伺います。


 


●大成建設が設計・施工に携わることになった経緯を教えてください。
昨年11月に出件した市庁舎の耐震改修プロポーザルで当社が選ばれ、今年の7月から基本設計を開始しました。その後、市役所の担当者の方と内容の確認を行いながら実施設計を行い、今は実施設計が完了した所です。(2015年11月上旬現在)

●どうしてプロポーザルで「地下1階柱頭免震」を提案したのですか?
「耐震補強」、「制震」、「免震」の中から工法を選択できるプロポーザル方式でしたが、耐震にすると「使いながらの工事」「執務スペースの確保」といった要求水準を満たすことが難しかったので、当社で施工実績が多い「免震レトロフィット」工法で提案を行いました。
免震装置を「基礎下」か「中間層」のどちらに設置するかを検討しましたが、「地下1階柱頭免震(中間層)」にすることで、市の要求水準とコストにあった提案が行えました。

●今回の工事について、概要を教えてください。
今回の工事内容としては大きく、「耐震改修工事」と設備と内装の更新を含めた「大規模改修工事」があります。
福井市役所は、別館が最初に建設され、市の繁栄とともに本館と駐車場が建てられ、それぞれが渡り廊下でつながっています。今回は別館のみが工事の対象になっています。
耐震改修にあたっては建物本体の免震化もありますが、これらの渡り廊下には別館の免震化に対応した工事が必要となります。
また、倉庫と機械室として使われている地下1階を免震化工事の対象範囲にすることで、建物を使いながら工事が可能で、免震化が完了した後は1階から上の階すべてが免震化されます。

●今回の計画のポイントを教えてください。
要求水準書の中に福井市が改修に対する要望がまとめられていたので、1つ1つ回答して要望の具現化を提案させていきました。

1. バリアフリー化について
本館と別館を繋ぐ渡り廊下には各々の階高が違うことによる高低差(段差)が1.36mもありましたが、別館の外壁梁を撤去し下階で補強することによって別館と渡り廊下の段差をなくします。加えてスロープを階段に併設して、乳母車や車いすの方、台車で荷物を運ぶなど、利便性が向上するように設計しました。

2. トイレをリニューアル
これまでのトイレは廊下から10センチあがっていましたが、段差を撤去して、廊下から段差なしで利用できるようにします。
また、和式のトイレを洋式に変更して、使いやすさを向上させます。

3.省エネについて
窓ガラスは既存サッシをそのままに、ガラスを断熱性のある「薄型断熱真空ガラス」に交換します。外壁には室内側に断熱材を吹いて、外皮の断熱性能をあげています。
また照明器具をLEDに変更するなどの省エネ化を図っていきます。

4.エレベータを免震対応に
建物を使いながらの工事なので、工事中は2台のエレベータのうち必ず1台は使えるように計画し、1台ずつ改修しながら今の時代にあったエレベータに変更します。
2台のうちの1台は、地下に行くエレベーターとして上階からシャフトを吊り下げるようにして免震対応しています。

●最後に、設計者の立場から、玉井さんのコメントをお願いします。
元々、この建物はオフィスとして綺麗で効率的なプランになっています。改修のため限られたスペースの中で計画するのが難しいのですが、今ある良いものを活かして使って頂けるようにしたいです。
いよいよこれから工事が始まるわけですが、市の担当者の方々に運用や実態を教えて頂きながら一緒に一つ一つの課題を解決していきたいと思っています。庁舎を訪れる市民の方が利用しやすく、働く職員の方が働きやすいと感じられる建物にしたいと考えています。
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