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[issued:2006.01.04]

特集:BCMに取り組む

事業継続管理に織り込む施設計画

スペシャリストインタビュー

 企業にとって施設は事業を営む上でのための道具であり、スタッフやサプライチェーンの集結する場として、経営を支える需要なリソースの一つであると言えます。大成建設のBCMソリューションを提供する設計本部副本部長の町井さんに、その取り組みについてのお話を伺いました。

町井充ポートレイト大成建設(株)
設計本部
副本部長
町井充

1. 

現状の把握と目標の設定


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 BCMフォーラムなどでの参加者アンケートでも、事業継続にとって最も重要視しているとされた地震リスク。しかし、それ以外のリスクとして情報漏洩の問題や台風・洪水等の自然災害、侵入や盗難等の犯罪やセキュリティにも企業として対策をたてる重要性を意識されているということもうかがえました。しかし、これらはいずれも回避や減災、あるいは早期復旧などBCMにおいて施設機能やその運営が重要な役割となるリスクでもあるのではないでしょうか。

 企業にとって施設は事業を営む上でのための道具であり、スタッフやサプライチェーンの集結する場として、経営を支える需要なリソースの一つであると言えます。施設に求められる機能の持続や早期復旧は、BC(事業継続性)の観点からみれば、金融、インフラ産業、メーカー、流通など業種業態を問わず、BCPの要でもあります。

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耐震性能調査からはじめるBCM



■スーパーゼネコンとしてBCM事業に取り組むきっかけは何だったのでしょう?

町井:
お客様からの強い要望があったから、ということです。
特に2004年の中越地震では、多くの工場が操業停止になり、中にはそのインパクトが親会社の経営そのものを揺さぶったということが、多くの企業の危機感を強めたのではないでしょうか。


■具体的にはどんな要望があったのですか?

町井:
お客様がBCMへ取り組むにあたって、まず建物の耐震性能をはっきりさせる、つまり地震が発生したら建物の構造体だけでなくその機能がどうなるかを調査したいとの依頼が寄せられました。電子デバイスを中心としたメーカーがその大半、しかも対象は工場です。


■対応はどのようにされましたか?

町井:
依頼をいただいたものの多くは図面も揃ってはいたのですが、あらためて現地調査を行いました。弊社の設計施工の物件については、それぞれの建物の設計担当、施工現場担当が直接現地に伺い、屋根裏など普段見えない箇所の構造や設備について調査をしています。


■調査後は対策などの提案も?

町井:
そうです。調査報告の後、お客様からの要望もあり、こちらが必要と考える対策を提案させていただいています。
特に工場などの場合、その調査や提案には製造プロセスに関する知識が必要です。当社の工場設計や施工に経験のある人材がお役に立っていると思います。

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目標重視のトータルなBCMへ



 BCMにおける減災と早期復旧計画の効果イメージ


■BCMに関してはどのような期待が寄せられていますか?

町井:
ひとつは、当社がこれまで得意としてきた免震などの技術を活用した減災対策の提案です。次に、地震が発生した際の緊急復旧対応への取り組みです。BCMの基本である減災と早期復旧がトータルに求められて来ています。


■大成建設自体のBCMへの取り組み状況はいかがですか?

町井:
建物・業務の復旧対応に関する当社への期待も大きく、当社にとっても大きな課題でしたが、現時点ではその準備を終えたというのが現状です。
つい最近には、他のゼネコンに先駆けて、地震など災害時の業務復旧計画を策定し、顧客企業の支援に原則48時間以内に出向く目標を設定することを通じて、顧客の建物・業務の復旧を支援するという計画への取り組みについて発表しました。


■BCMにトータル取り組もうということですね?

町井:
まだまだクリアすべき課題はあります。地震などによる被害は予測できても、その復旧は現実的に困難を極めることも想定されます。例えば、被災した施設に誰がどのルートでたどり着くのか、といったことなど基本的なことでさえ難しい場合があります。


■確かに何が起こるかわかりませんね?

町井:
弊社もこれまでの経験値や技術の新たな活用も踏まえて、誠心誠意、対応しようとしています。
中越地震の際は、東京の本社や技術センターから応急危険度判定士の資格をもった社員を派遣し、地元の自治体や民間企業の方々、当社スタッフと協力して、被災した施設の緊急調査にあたるなど、二次災害の防止や早期復旧のための手立てを取るため、さまざまな支援活動を行いました。

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