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特集:BCMに取り組む

BCMの向かう先

ユーザー特別座談会:後半

実際に企業での事業継続に取り組まれているリーダーの方々にお集まりいただきお話を伺いました「特集:BCMに取り組む」特別座談会。いよいよ最終回となる後半をお届けいたします。


3. 

BCMとファシリティ


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初動対応と応急処置




杉崎:
BCMのためにはすべきことがまだまだ多いと実感しています。それでは最後に、地震を中心とした施設の減災対策を提供している、弊社へのご要望やご叱責を伺えればと思います。


井上:
地震対策においては事前の備えはある程度は計画的にできますし、全社のミッションとして推進すれば徹底もできます。
しかし、問題は、地震発生直後、緊急対応の初動段階です。ぜひ、元施工、ゼネコンの皆様方の協力をお願いしたいのです。
例えば、リアルタイム地震防災ステムを利用してタイムリーな情報提供と連携して応急対策や二次被害防止に駆けつけてくれるような付加価値の高いリスク対応サービスを期待しています。この対応が実際できるのであれば、すぐにでも導入検討したいと思います。


碓氷:
この対応の優先順位をどう決めるかが難しいですね。
昨年の7月に起きた千葉県北西部を震源とする地震では、エレベーターの停止・閉じ込めが数多く発生しましたが、その対応の時間差が相当あったと記憶しています。あのときは何を基準に対応の順序を決めたのか。明確な優先順位などできるのかが疑問です。


町井:
弊社では、地震がおきると、まず発生地の支店長が中心になって災害復旧本部を立ち上げます。
さらに、あらかじめ決められた役割分担に応じて地域のお客様の施設を調べ、社内のウェブにどんどん情報をアップすることで、対策の指揮に役立てています。施設の設計者、施工者、構造の専門家が駆けつけます。しかし、お客様への復旧の確約という面では、保証規模の問題、被災時は社員が集まりにくく人員確保も難しいという問題があります。
杉崎:
中越地震では、地域が限定されていたため比較的迅速な対応ができました。
しかし、これが社会の中枢機能が集まる首都圏では難しい。復旧の指揮系統そのものが大きく損なわれ、損害の規模も膨大になります。
日頃からのストックを持つことや、首都圏を中心としない分散型の地域間連携も考えなければなりません。


町井:
弊社のBCM自体もと問われています。そこが明確にならないとお客様の復旧にもより確実に対応できません。


碓氷:
地震対策に関しては自社でできることの限界を感じています。
そこをゼネコンさんにどう補ってもらえるか、私も井上さんと同じ期待を持っています。




新潟県中越地震はどのような地震だったのか?

新潟県中越地震の被害と教訓を基に、震災から生活、事業を守るためにはどうするべきかを考えます。

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生産を止めない補強


塩入:
当社は2004年に大成さんに工場建設を依頼しましたが、そのさなかに耐震診断もあわせて依頼しました。費用の面もあり、新耐震基準以前の4棟を予備診断、翌年に3月に簡易診断、さらに10、11月に本診断、12月の報告を受けて、現在、耐震補強の計画中です。 


杉崎:
きちんと診断しないと確実な補強計画ができません。
しかし、どこまで補助金がでるかなどもありますが、災害時の損害や復旧コストを考えると、事前に補強、減災に投資すべきではないかとお奨めしています。
また、中越地震では発生直後の対応だけでなく、余震もかなり強いものが何度もあったという状況から、何度も同じ場所に伺ったこともありました。
またインフラが復旧してからも、インフラとの接続などの確認をしてくれという要望もあります。応急措置はともかく、稼働再開レベルまでの復旧は地震や地域によっては短期間では終わりません。そんな難しさも考えると、予防としての減災の重要性は高いと思います。


井上:
工場などは圧倒的に既築ですから古いものも多く、新築における耐震設計より、補強=レトロフィットによる減災対応が多いのが現実です。そこもゼネコンさんに期待したい。

杉崎:
しかし、工場への提案は難しいんです。ラインが止められない、生産しながらの補強は難しいのが現実です。


塩入:
当社などは、代替施設をもっていないためラインは止められません。生産拠点も所沢のみです。
また、情報に関して言えば、データセンターによるバックアップは費用が膨大でやりきれません。最近建設した耐震性能の高い工場にバックアップサーバを置くことを真剣に検討しています。


杉崎:
特に食品工場など工事中のほこりを嫌うところの補強工事は難しいですね。これからの技術開発や提案を通じて最適解を出せるよう取り組んでいきます。




新潟県中越地震での事業継続への影響

新潟中越地震における企業の被害状況から、事業再開に影響を与えた要因(ビジネスインパクト要因)についての分析結果です。
今後の事業継続管理(BCM)のあり方と事業継続計画(BCP)策定の方向性を探ります。

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BCMにおけるファシリティとは



井上:
実は耐震と最近のアスベスト対策はよく似ていると思っています。
稼動しながら対策する、付加価値が見えにくい、コストがかかるといった点です。大成さんのFM(ファシリティマネジメント)発想や新技術にも期待しています。


碓氷:
地震対策、BCMは1社ではできないことも大きいのではと感じています。
昨年8月に内閣府中央防災会議で検討され公表された「企業継続計画(BCP)ガイドライン」でも、自助・公助・協助をバランスよく組み合わせていくことの重要性を訴えています。
東京など大都市部では、地震が起きたときのパニックを想定すると、インフラがしっかりしていることはもちろんですが、個々の建物の地震対策が万全でないと危険だと感じます。

井上:
その通りだと思います。ファシリティは社会インフラです。そのファシリティをつくるのも補強するのもゼネコンのみなさん。その責任と役割の重要性をもっと施主にアピールされたらいいと思います。
ファシリティの経済価値と社会価値、つまり資産価値を高める仕事をしているという自負はとても大切だと思います。


町井:
当社がBCMに関してすべきこと、できることがまだまだたくさんあるように感じます。
今回お話いただいた様々なご期待にお応えできるよう、企業努力を重ねて行きます。

今後も様々な場で皆さんと情報交換をさせていただいたり、実際のBCMの業務に関わらせていただければと思います。
本日はお忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。


事業継続管理(BCM)を支援する大成建設のソリューション

BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)
あらゆる災害から仕事や生活の被害を最小限にする、もし損害があっても短時間で復旧させる! これが大成建設のBCMです。
事業影響分析のための被災想定をはじめ、それに基づく効果的な減災対策、そしてBCPの構築から運用までをトータルにサポートいたします。

事業継続(BC)のためのファシリティ構築

事業の継続性を確保するためには、施設設計で何を行わなければならないか、「震災対応設計指針」を中心に解説します。


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