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[issued:2005.09.01]

法改正、ガイドラインの策定で進む防災施策の整備

建築基準法、耐震改修促進法、BCPガイドライン

建築基準法の一部改正案で何がどうかわるのか? そのポイントを中心に地震対策に関する各施策の方向性を俯瞰します。

小野眞司ポートレイト大成建設(株)
営業推進本部耐震推進部
課長
小野眞司

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建築基準法の一部改正案が施行

建築物の安全性および、防災機能の確保等を図るための建築基準法の一部改正案が2004年6月2日に交付され、2005年6月1日より施行されました。


●改正のポイント1───報告・検査制度の充実
 定期報告制度そのものは1960年代から存在し、2003年の建築基準法改正時に、ほぼ全国共通の書式様式が定められました。今回の改正では、定期報告が行われていない建築物に対する立入検査を可能とする等、同制度の徹底を図るものとなっています。
 なお、定期報告が必要な建物は「100m2超の特定建築物(建築基準法12条)」および政令で定められた「階数5階以上1000m2超の事務所その他これに類する用途に供する建築物(施行令16条)」をもとに「特定行政庁が指定するもの」となっており、基本的には点検義務対象の建物には特定行政庁からの通知があります。
報告・検査制度の主な強化点

報告・検査制度の主な強化点

定期点検義務が課せられる建物

定期点検義務が課せられる建物

対象建物や点検期間は法及び施行令で示された建物をもとに、特定行政庁が独自で指定することになっており、行政庁によって差異があります。図中の例は東京都の場合です。


●改正のポイント2───勧告・是正命令制度の創設
 これまで特定行政庁は「著しく危険と認められる場合のみ」改築、修繕等の命令ができましたが、改正後は「劣化が進み、放置すれば著しく危険または有害となる恐れがあると認められた」場合でも、改善勧告を行うことが可能になっています。また、勧告に従わない者に是正命令を出すことができるようになり、是正命令に従わない場合の罰則規定も強化されています。

罰則
法人に対しては最高で1億円以下、
個人に対しては最高で300万円以下の罰金となります。
危険な既存不適合建築物に対する改善措置の強化

危険な既存不適合建築物に対する改善措置の強化


●改正のポイント3───既存不適格建築物に関する規制の合理化
 改正以前は増改築を行う際に即座に全ての既存不適格事項について適合させる必要がありました。そのため費用負担の集中等が原因となって、本来必要な改修が進まない状態でした。今回の改正では、まず耐震改修を行い、その後の2期工事で防火避難の改修を行う等、工事に関係する基準に順次適合させることが可能になっています。
規制合理化の例

規制合理化の例

耐震基準および防火避難基準に不適格がある場合、全体計画について特定行政庁の認可を受けることにより、工期を分けて、必要な改修を順次行えます。


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耐震化率9割に向けて──国交省諮問機関が提言──

 国土交通省に設置された有識者会議である「住宅・建築物の地震防災推進会議」は、主に1995年に施行された「耐震改修促進法」の改正を中心とした様々な政策提言を2005年6月10日発表しました。
 まず、提言は今後発生が予測される大規模地震の被害を軽減するため、耐震化率を今後10年以内に9割まで高めることを目標にしています。この目標を実現するため、特に耐震改修促進法については、全ての特定建築物に対して、指示、報告徴収、立入検査を可能としたり、特に病院や商業施設、ホテルなどの「不特定多数利用の特定建築物」に対しては、期間を定めた耐震診断・改修の義務化を盛り込むなど、改訂が提言されています。
耐震改修促進法の見直しのイメージ

耐震改修促進法の見直しのイメージ


特定建築物の耐震化の目標

特定建築物の耐震化の目標


「住宅・建築物の地震防災推進会議」による提言概要

1.明確な目標値の設定:耐震化率を今後10年以内に9割まで高める

2.促進法などの制度の充実と強化
国及び地方公共団体は耐震化の目標や取り組み方針を策定。一定期間ごとに進捗状況を検証。
密集市街地等の地震による被害拡大のおそれのある地域の住宅等について、地方公共団体による耐震診断等の指示(勧告)を推進。
耐震性が不十分な多数の者が利用する建築物に対して、立入検査、公表等。
不特定多数の者が利用する建築物について、耐震診断・改修の徹底、強化。

3.窓ガラスや外壁等の非構造部材の被害の軽減や敷地自体の大震対策の充 実と強化など、多面的な耐震対策の強化

4.その他、支援制度の充実や税制等の緩和策
スタートした耐震改修促進計画

「待ったなし」で進む行政の地震対策への取り組み。その傾向と対応について概観するとともに、何が必要か、どうすべきかについて考えていきます。

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防災力向上に向けた事業継続(BC)ガイドラインと企業防災力評価

 業務継続計画(BCP)は、企業単体の防災というだけではなく、広く災害被害軽減のための効果的な対応の1つとして認識されるようになっています。
 こうした背景から、経済産業省は「企業における情報セキュリティガバナンスのあり方に関する研究会の報告書」の中で、「事業継続計画策定ガイドライン」を公表。また、「内閣府中央防災会議:企業評価・業務継続ワーキンググループ」では「わが国企業の減災と災害対応の向上のために」として「事業継続ガイドライン」および「防災に対する企業の取り組みに関する評価方法」等について策定を進めています。
 欧米ではBCMへの取り組みとBCPの策定は、企業評価の一要素として定着しつつあります。これらガイドラインの策定も防災経営評価の国際標準化を視野に、企業の防災への取り組みが市場に評価されることで促進され、全体的な防災力向上につながることを期待したものとなっています。

「防災に対する企業の取り組み」に関する
 基礎的チェック項目・加点評価項目全体イメージ図



アリの目とトリの目、そして第3の目で取り組む事業継続

取引先から等の外部要求の拡大により、ますます必要になってきた事業継続管理(BCM)。しかしその担当者には、現実に行われている「部門や事業所単位での取り組み」だけでは応えきれないのではないか?というジレンマもあるようです。

BCP策定支援サービス

「日本版BCPガイドライン」に準拠した「事業継続計画書」を短期間に策定するための支援サービスです。


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