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[issued:2006.01.10]

米国におけるBCM事情

米国における事業継続管理(BCM)への取り組みと施設運営管理(FM)

当レポートは、2005年10月25日から30日までの10日間、(社)日本ファシリティマネジメント推進協会(JFMA)の米国調査団の団長として、ビジネスコンテュニティ(BC)をテーマに関連企業やコンサル等訪問するとともに、フィラデルフィアで開催されたFMの国際大会であるワールドワークプレイス(WWP)へ参加した概要である。

成田一郎ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部
主事
成田一郎

1. 

米国におけるBCM事情


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 調査団の参加メンバーは、大学、研究所、FMコンサル、サービス会社、メーカー、商社、ゼネコン等総勢23名で、訪問先は、ニューヨーク、ワシントン、フィラデルフィア、サンフランシスコの4都市で、大学から公益企業、認証機関、銀行、コンサル等々多岐に亘りました。

 日本でも近年、特にニューヨークの2001.9.11の同時多発テロ以来、自然災害対策だけでなく、ビジネスを中断あるいは破壊させるあらゆる因子に対して、ビジネスを継続していくためにはいかにすべきかというビジネスコンテュニティ的な発想が益々求められてきています。特に、2004.10の新潟県中越地震では、災害が企業にいかに影響を与えるか、ファシリティマネジメント的視点からも経営的視点からも大いに注目されたのは記憶に新しいところです。
 FM:ファシリティマネジメントは、企業存続のために、そして企業発展のために、いかにその資産であり経営のリソースでもあるファシリティをマネジメントするかということを最大の目的としています。この意味からもビジネスコンテュニティはまさに根幹のテーマであるといえるでしょう。

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Metro-North Railroad訪問(鉄道+バス会社)

 at ニューヨーク

 ニューヨーク最大の駅、グランドセントラルターミナルを訪問し、広報担当者から案内と説明を伺いました。大変オープンな対応で、会社概要からグランドセントラルターミナルの概要、9・11の時の対応など詳細なお話をお聞きすることができました。
 オペレーションセンター(運行管制室)から、非常時には管制官を指示するシチュエーションルーム等々内部もご案内いただき、
・非常時には何より正確な情報の流れの確保が大切で、清潔な駅は非常時にも大変効果的であること
・マニュアルより経験をつんだ人間の大切さ、そしてコミュニケーションの大切さが重要であること
・計画だけでなく毎年の訓練、それも定型化しない形で臨機応変な対応ができるようにすること

がポイントであると話されていました。

 また、非常時には自分たちだけではなく、警察・消防等との連携が不可欠で、普段から緊密に調整しているとのことでした。非常時に備えて、管制機能はグランドセントラルターミナル駅とは別な場所に同一機能の代替え施設があるとのこと。
そして最後に、マスコミ対応も大切であるという。まさに透明性をもった明快な案内をいただきました。

グランドセントラルターミナル

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George Washington University訪問(大学)

 at ワシントン


ジョージ・ワシントン大学


 ジョージワシントン大学では、危機・災害・リスクマネジメント研究所での講義を受けることができました。この研究所では、危機・災害・リスクマネジメントの教育・研究・人材育成を行っています。
 米国でも、9・11テロ以来、積極的なビジネスコンテュニティへの取り組みが行われていますが、大学の講座を持っているところはまだ少なく、進化中であるとのこと。講義では、災害などトラブルが起きると、その時の問題点が指摘され、その改善が強調されるが、うまくいったこと(成功したこと)から学ぶことの大切さも強調されていました。
 また、同じ災害でも、企業の業種や業務内容・ワークスタイルによりダメージの大きさや影響の違いがあること。さらに、ハリケーンでは、立地の重要性が浮き彫りになり、それがワークスタイル(在宅勤務など)の変化にもつながっているという。そして、ビジネスコンテュニティは、ビジネスを継続し収益機会を確保することだけでなく、災害復興、人命安全など幅広い視点で捉えておく必要性を強調されていました。
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DRII(Disaster Recovery Institute International:ビジネス継続管理者認定団体) 講演

 at ワシントン

 DRIIの役員の方からは、ホテル内の会議室にてご講演いただくことができました。DRII は1988年に設立され現在はワシントンに本部を置く非営利団体です。
 研究所の事業は、ビジネスコンテュニティに関する教育・研修事業、資格認定制度、およびビジネスコンテュニティの概念普及であるということです。これら概念の普及を世界的規模で展開しており、BCP(ビジネス・コンテュニティ・プランニング)資格も1991年より展開し、今は国際的基準で入門編からマスターと呼ばれるレベルまで4段階の資格認証をしています。
 なお、これらの試験はネット上でオンラインで行えるようなっていて、今後、日本においても教材や試験のための準備を進めているとのことでした。

DRIインターナショナルによる講演

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