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[issued:2006.02.13]

事業継続への取り組み動向

フォーラムアンケートからみる取り組み状況の変化

事業継続性に対する意識とその手法であるBCMへの取り組みや具体策であるBCPの策定への取り組みはこの1年ほどの間に大きく変化しつつあるといえるでしょう。

小野眞司ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部 耐震推進室
部長(担当)
小野眞司

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 今回は、主に平成17年11月に開催されたフォーラムに参加いただいた皆様から頂戴したアンケートをもとに、同年1月に実施した前回フォーラムのアンケートを比較参照しつつ、BCMに関心が深いであろうご参加企業様のBCMへの取り組み内容がどのように変化しつつあるかを概観してみました。

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参加者の傾向

 参加者は「経営者クラス」、「部長クラス」、「課長クラス」、「主任クラス以下」に4分類させていただいた上で傾向を見ています。
 前回(平成17年1月)に比べ、意思決定層である「部長クラス」以上が参加者の過半数を占めるようになり、BCMに対する企業の上層部の関心がより高まってきていると思われます。
BCM/BCP(事業継続管理/計画)をテーマにした大成建設エグゼクティブフォーラム参加者

2005年1月と11月のフォーラム参加者の職階構成の変化


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想定リスク

BCM/BCP(事業継続管理/計画)における想定リスク
想定リスク

 想定リスクとしてどの様なものが対象と考えられているかご回答をいただきました。
 BCMやBCPの策定自体は特定のリスクを対象にするものではありませんが、日本版BCPガイドラインも、まず取り組みの第一歩としては「地震」を最大リスクとしてとりあげていることもあってか、想定リスクの第1位は「地震」という結果が出ました。
 「火災」、「情報漏洩」がこれに続いています。特に5位となった「情報セキュリティ」とあわせると実質的には「情報リスク」が2位となり、「地震」に次ぐ関心の高さが明らかになりました。
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BCM/BCPへの取り組み姿勢の比較

前回と今回のBCM/BCP(事業継続管理/計画)への取り組み

BCM/BCP(事業継続管理/計画)への取り組み比較


 BCM/BCPへの取り組み姿勢についての状況を1月と11月で比較してみました。
 前回と今回のアンケート結果で歴然とするのは、積極的にBCMを具体化しようとする企業が大きく増えた点にあります。選択肢の1から3を具体化に踏み出したとするならば6割を超える企業が、BCMを実施する姿勢に転じてきていると言えます。
 特に「積極的に取り組んでいる」と答えた企業は、比率で2.5倍に増加しています。また、「検討してみたい」と回答した企業が減った代わりに、「これから取り組もうと思う」と回答した企業も倍以上に増加しています。
 また、「取り組みたいが社内の理解が得られない」、「よくわからない」と回答した企業も前回に比べ半減し、BCMへの基礎的な理解が進んでいることが見て取れます。
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減災対策の実施と被害想定状況の特徴

 実際に減災対策を行っている対象に比して、事業フェーズ(事業影響フェーズ)における被害想定がどこまでされているのかの相関関係を検討してみました。
 実際のアンケートでは設問を個別に行っていますが、選択肢として設定したエスカレーションする事業影響範囲を横軸に解析したところ、実際に各対策を行っている企業のほとんどはその被災想定も行っている一方で、被災想定は行っているがまだ具体的な対策には至っていない項目もまた多いという状況も浮き彫りになってきました。

 減災対策に着手している企業の7割では、「設備・生産ライン」の被害想定まで行っていますが、「サプライチェーン(SCM)」への影響まで考えた被害想定や減災対策は、あまり実施されておらず、現時点では次の課題といえるでしょう。

減災対策の実施と被害想定の相関関係

減災対策の実施と被害想定の相関関係


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まとめ

今回のアンケートで明らかになった重要ポイントは以下の3点であるといえます。

1.企業にとって事業継続への取り組み経営層が関与するフェーズにシフトしつつあり、ガイドラインにも提唱されているように「経営課題」としてとらえられるようになってきた。

2.地震対策としては、施設や機器のハードウェアに対する被災想定はある程度進み、実際の対策も進みつつあるが、一方で具体的な対策へ進められない企業も多い。

3.ハードの減災対策を基本施策として終わらせた企業は、社員の出社影響やサプライチェーン等「事業影響(ビジネスインパクト)」を考慮した検討フェーズに入りつつある。

事業継続への取り組みは、それがいわれ始めた一昨年(2003年)の状況からこの1年間で大幅に変わてきており、確実に定着しつつあるといえるでしょう。

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