[issued:2008.12.18]
減災対策からアプローチするRTOの短縮
―できることから始めるBCMの第一歩―
地震時のRTO(目標回復時間)を効率よく短縮するには、業務に必要なファシリティへの初期影響を小さくする「減災対策」が重要です。

大成建設(株)
耐震推進部
次長
小野眞司
業務を構成する要素
我々が日常的に行っている「業務」は、人材、資金、情報、原材料、ファシリティなど様々な構成要素から成り立っています。
その不可欠な構成要素のひとつであるファシリティ。まずは建物、デスク等の什器、設備機器などのハードウェアがイメージされると思います。実際これまでは、「建物」や「デスク」などは企業にとってはいわゆる「資産」として捉えられることが一般的でした。
ファシリティの構成(例)
ファシリティとは単なるハードウェアではなく、業務を行うための機能を持った空間とそれを運営、運用しているオペレーションで構成されています。
しかし、業務のあり方やそこでの生産性が課題となっている現代では、その空間の質や機能性が問われます。
現在のビジネスにおけるファシリティは、それが事務作業であれ生産作業であれ、その業務を実行するために必要な「機能を持った空間」そのものをいい、建物や什器、設備機器、生産装置等のハードウェアはその機能空間を成立するための構成要素として捉えることができます。
また、こうした「機能」「環境」を提供、維持するためには、それを実現するためのハードウェアの備えとともに、それらのオペレーションについても考える必要があります。最近ではネットワーク化された「情報」も必要不可欠となっています。
つまりファシリティとはハードウェアとソフトウェアが一体となった「業務のために必要な環境」のことなのです。
ファシリティの被害例
建物には被害がなくとも、業務や生産に必要な機能には障害がでてしまう場合があります。
このファシリティが災害や事故でなんらかの障害を受け、機能や環境の提供が中断すると、業務停止という状況に陥ることになります。
現実の業務を構成する要素は複雑に関連しあっています。
ファシリティのハードウェアの機能とそれを管理・運営するソフトウェア相互にも依存関係、影響関係があります。
加えて、管理・運営は人が関わってはじめてできる部分も多くあります。特に発災直後の様な緊急時の対応には、より慎重かつ迅速な判断も必要となります。
ファシリティを分析し業務との関わりを紐解くこと事は、特定した重要業務にとって必要不可欠なファシリティ要素は何かということをつきとめることでもあります。これはまさに「現状把握を行う」BIA(Business Impact Analysis:業務インパクト分析)に直結するものであり、ここから実効性のあるBCMが構築されていきます。

「ファシリティを経営に活かすこと」
大成建設のFMは、施設を経営資源としてとらえ、強固な経営基盤づくりをサポートします。