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[issued:2009.08.20]

企業不動産投資戦略(CRE)視点から見た耐震化投資

─耐震補強への投資は企業価値向上に貢献するのか?─

CRE(企業不動産)は経営上の重要要素の一つであり、地震国日本では適切な耐震性が求められます。
耐震補強に対する投資の妥当性、耐震性による収益性の差などについて、CRE戦略の観点から考えていきます。

網頭正記ポートレイト大成建設株式会社
LCC推進部 プロパティマネジメント室
室長 
網頭正記

1. 

企業不動産にとっての耐震性の位置付け


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CRE戦略サイクル

CRE戦略サイクル
サイクルを回す際には、保有不動産を個々に見るのではなく、全体として捉えて戦略を立案することが重要です。

かつての不動産は所有するだけで「含み益をもたらす」、「担保物件として資金調達を容易にする」資産でした。しかし、バブル崩壊後には他の資産と同じく価格や価値が変動するリスクを孕むものとなりました。

そのため企業経営者には、企業不動産(CRE:Corporate Real Estate)を正しく評価し、その有効活用を通して企業価値を高めることが求められるようになっており、いわゆるCRE戦略の構築が火急の課題となっています。

企業にとって建物は資産であると同時に事業基盤でもあります。耐震性は、そこで活動する従業員、顧客など多くの人々の安全に直結する建物の基本的な性能の一つです。最近では経済のグローバル化に伴って事業継続の観点からも重視されていますが、どのように評価(と戦略)に影響するのでしょうか?

「CRE戦略」では、不動産を単なる物理的生産財としてだけではなく、企業価値を最大限に向上させるための「経営資源」として捉え、企業価値にとって最適な選択を行うことで経営戦略の一翼を担うものとされています。
土地・建物情報の例

土地・建物情報の例


適正なマネジメントサイクルに沿ってCRE戦略を実行することで不動産管理にかかるコストの削減、キャッシュ・イン・フローの増加、経営リスクの軽減などの効果が期待され、そこには(継続使用から売却に至るまで)様々な出口戦略が存在します。このため、各不動産を個々に見るだけではなく、全体としての立案が重要になるため、不動産に関する情報を精査して棚卸し、整理をすることが最初に必要になります。
主な不動産リスクの例

主な不動産リスクの例


また、不動産には様々なリスクが存在するため、有効活用には情報整理の際にこれらのリスクもきちんと評価しておき、その上で適正な出口戦略を構築します。リスクの低減措置や回避策はそれに必要な投資も併せて評価し、実施するのが望ましいでしょう。

不動産リスクの中では、「地震リスク」は重要なリスクの一つとしてとらえられており、様々な出口結果にも影響を及ぼします。さらにその特徴として「発生が予測できない」、「発生そのものを回避することはできない(発生確率を減ずることができない)」という点で他と比べて特異な性質を持つリスクといえます。

日本は地震大国であり、東京、大阪など主要都市をはじめ、ほぼ全土で大地震発生確率が逼迫していることからその対策は国家的課題ともなっています。
特に1981年以前の古い基準、いわゆる旧耐震の建物については過去の教訓から危険性が指摘されており、耐震改修促進法では耐震性の確認と現行基準に満たない場合に改修の努力義務が課せられています。また市場においても宅地建物取引業法の重要事項説明書に記載が義務付けられるようになり、売買、賃借の価値評価に影響を与えるようになっています。

では、次ページからその投資価値の評価について二つのケーススタディで考えてみましょう。

 
耐震改修促進法の改正とその周辺施策

2006年1月26日より施行された改正耐震改修促進法について、建物の所有者にとってポイントとなる部分を中心に解説します。

耐震補強プロジェクトの勘所

耐震補強を行うには決して少なくない資金と期間を必要とします。様々な観点から評価される今日の建物とその管理において、「最適な」補強計画を立案、実現するためのポイントを紹介します。


CRE戦略の始めの一歩は不動産情報の棚卸しです。

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