TOP >> Solution >> Taisei's Eye >> 耐震補強プロジェクトの勘所
[issued:2008.06.19]

耐震補強プロジェクトの勘所

∼最適な耐震補強計画を実現するための基礎知識∼

耐震補強を行うには決して少なくない資金と期間を必要とします。様々な観点から評価される今日の建物とその管理において、「最適な」補強計画を立案、実現するためのポイントを紹介します。

菱沼慎夫ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部 耐震推進室
次長(当時)
菱沼慎夫

4. 

要求要件で考える耐震補強プロジェクト


anchor flag
 前述の様に耐震補強計画は、設計段階で施工を視野に入れることで結果的に満足度の高いものになります。現在は【使いながら】の耐震補強を基本として話を進めるケースが多いのですが、工期や費用との兼ね合いを図りながら、「本当に【使いながら】がベストであるか?」も含め、プロジェクト全体の要求用件を整理しておく事が良い計画に繋がります。

以下に多く見られる要件をケーススタディとして挙げてみます。

リフレッシュと同時に行いたい
中長期的な視点でイメージアップやその他の性能向上リニューアルを兼ねた計画とする事で資産価値や生産性向上に繋がります。
使いながらの補強と外装リフレッシュを兼ねた外部補強により、室内の有効面積もほぼ現状を確保する事が可能です。これには外壁全体を補強壁としてリフレッシュする方法や補強部材をデザインする方法などがあります。
工事中の騒音や震動を避けたい
建物を「使いながら」の工事の大きな障害となる騒音や震動は施工中の様々な段階で生じますが、その最大要因の一つである【アンカー打設】を省略した工法が開発されています。工程の省略による工期短縮とあわせて、「使いながら」の可能性を高めます。
事業継続を踏まえた対策にしたい
建物によっては補強部材にオイルダンパーなどの制震装置を適用する事で、補強箇所数を低減したり、地震時の建物の揺れの強さを押さえることができる場合があります。効果の度合いは、建物の構造的な性質によっても変わってきますので、綿密な診断によって正確に建物の性質を分析することが不可欠です。
 
免震による補強は、建物に免震装置を設置し、地震の揺れそのものを伝わりにくくします。正確には補強ではないので【免震補強】ではなく、【免震レトロフィット】といういい方をします。
施工場所を集中することができるので、その他の階はそのまま使用を続ける事が可能です。また、地震の影響そのものが低減されるので、建物全体の機能を守る事が可能です。
元の建物の性能はもちろん、周辺の状況を含めた施工条件を確認すると共に、一時的に基礎や柱を切断するので、施工期間中の耐震性能の保持を含めた計画を検討する事が重要です。
 
 このように、耐震補強を計画する際には様々な要求事項が出てきますが、解決する方法は一つだけではありませんし、複数の事項を組み合わせた方が解決の近道になる場合もあります。逆にすべての要件を満たそうとすると、費用や工事期間が増大してしまう事にもなります。

 こうした混乱を避けるためには「なぜ、耐震補強を行うのか」という基本的な補強の目的に立ち返り、実施にあたって必要な事を箇条書きで良いので書き出してみると、何が一番大切なのかという優先度(プライオリティ)を付けることができ、プロジェクトのスコープ(幅、深さ、ねらい)をまとめやすくなります。

 ITの世界では、あいまいな発注による現場の混乱やスケジュールの遅延を防いで適切なシステム開発を依頼するため、要求事項や条件をまとめたRFP(Request for Proposal:提案依頼書)の重要度が増大しています。建物の価値が複層化、複雑化してきている現在、こうした手法を利用するのも考慮に値するでしょう。安全性を確保した上で、今後の経営や運用に何が必要なのかをしっかりと見据えることこそが、最適な耐震補強プロジェクトの勘所に他ならないのですから。

明治屋様の企業姿勢を具現化する中間階免震レトロフィット

コンプライアンス重視とお客様本位をミッションとして取り組んだ「使いながらの耐震補強」。 銀座の一等地で実現された「中間階免震レトロフィット」の現場に迫ります。

ヒト・建物・空間に「やさしい」耐震補強

耐震改修を取り巻く環境が整備され、耐震化への取り組みが進む一方で、補強に踏み切れない建物が少なからず見受けられます。その原因と解決策を解説するとともに、ベストな耐震補強には何が必要かを考えていきます。


ユーザー本位の耐震補強を目指して

お客様にとって耐震化における最適解を追求している大成建設担当者の実感、そして実際の取り組みについてお届けします。

技術力、現場力、そして人間力で実現する「使いながら」

いまや一般化しつつある「使いながらの耐震補強」。
建物を事業活動の場として使いながら耐震補強は、建物の診断力、補強の設計力に加え、確かな「現場力」によって実現します。


補強計画診断

ローコストかつスピーディに耐震性能評価を行い、耐震化プロジェクトにおける建物オーナーの方の素早い意志決定を支援します。

RC造の耐震補強

耐震補強とは不足している耐震要素を補完するということ。大成建設は「やさしい」をキーコンセプトに、費用対効果の高い耐震補強をご提供します。


  • お問い合わせ:セキュリティにプライベート認証を使用しているため、アラートが出る場合がありますがそのままお進みください。
  • メールマガジン:「コミュ二ケーション」にジャンプします。詳細をご覧の上お申込ください。

印刷