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[issued:2011.03.24]

鉄筋コンクリート建物の地震被害損傷度チェック

-専門家到着前までの自己チェックのPOINTー

大きな地震で建物に被害が認められる場合に、緊急的に建物を使い続けても良いのかを判断するための簡単な自己チェックポイントです。


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大きな地震によって建物に被害が生じている場合、その状況やそのまま建物を使い続けて良いのか確認が必要となります。
こうした判定は「応急危険度判定」といい、市町村などの行政庁から要請を受けた「応急危険度判定士」という専門家により判定するものです。

今回取り上げた「自己チェック」は、 この応急危険度判定士による判断が待てない場合に、自分で使用停止の要否を判断する材料として、建物や付帯設備の損傷度をどのように見れば良いのかというPOINTをピックアップしたものです。
建物の損傷は陰に隠れている場合もあります。このチェックで大きな被害が見つからなかったとしても、早めに専門家による確認を受けてください。また、大きな余震のあとも、繰り返しチェックを行うようにしてください。

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1.まず全体を目視して、ひと目でわかるような損傷がないか確認します。

建物から離れたところから建物をぐるり一周して、すぐにわかるような被害や異常がないかを確認しましょう。

・建物全体または一部での崩壊や落階がないか?
・基礎部分に大きな破壊や上部とのズレがないか?
・建物全体または一部にひと目でわかるような傾きはないか?
・近接建物に同じような状況が確認されないか?

一つでも確認されれば危険と判断し、使用を中止しましょう。
以下の立ち入っての調査も行わないようにしましょう。

また、下部に記載した「落下危険物の有無」についても確認しておきましょう。

下げ振りによる傾きの測り方 少なくとも1階分以上の高さで計測します。

下げ振りによる傾きの測り方
少なくとも1階分以上の高さで計測します。


2.少し近づいて周辺地盤の状況を確認します。

周辺の地盤に崩壊などは見られないか?
 A. ない
 B. わからない
 C. ある

建物と地盤の高さに差が出ていないか?
 A. 段差ができているが20cm以下である
 B. 20cm以上1m以下の段差ができている
 C. 1mを超える段差ができている

建物に傾きはないか計測する(右図参照)
 A. 1/60以下
 B. 1/60〜1/30
 C.1/30以上

ここまで安全が確認されたら

3.建物の内外部で壁や柱、梁などの構造体の状況を確認します。

立ち入りの際には建物内部に落下しそうな天井や空調機器、照明などがないか?などを良く確認して、脱出の経路も確保しておきましょう。
壁や梁に2mm以上のひび割れが認められないか?

柱、壁や梁に2mm以上のひび割れが認められないか?


コンクリートの柱や壁、梁などに2mm程度以上のひび割れがあるか?

 A. ない
 B. ある

次に、最も被害が大きいと思われる階の柱の状況をチェックします。
全ての柱を確認する必要はありませんが、なるべく多くの柱をチェックします。
損傷度4:柱部分に2mm以上のひび割れがあり、鉄筋もかなり露出している

損傷度4:柱部分に2mm以上のひび割れがあり、鉄筋もかなり露出している


損傷度4の柱の割合:幅2mm以上の大きなひび割れが多数生じ、コンクリートが剥落し鉄筋が露出している状態の柱の本数割合(該当当本数/調査本数)
 A. 10%以下
 B. 10〜20%
 C. 20%以上
損傷度5:露出した鉄筋が曲がっていたり、その内部のコンクリートにも潰れなどが認められる

損傷度5:露出した鉄筋が曲がっていたり、その内部のコンクリートにも潰れなどが認められる


損傷度5の柱の割合:露出した鉄筋が曲がっていたり、鉄筋の内部にあるコンクリートにも潰れや破損があるような柱の本数割合(該当本数/調査した本数)
 A. 1%以下
 B. 1〜10%
 C. 10%以上
*構造体の状況は表面がモルタルやボード類で仕上げられ、コンクリートなど本体の状況が確認できない場合があります。また、仕上げのモルタルのみがひび割れていたり、剥離している場合もあります。これは仕上げ材が剥離したり破損しているのであって、必ずしも構造体が破損しているわけではありませんが、こうした場合は、覆っている仕上げ材を剥がすなどして、構造体本体の状況を確認する必要があります。

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◎判定(応急危険度判定表をもとにした”めやす”)

以上で全てAランクの場合は大きな問題はないと思われますが、Bが一つでもあれば「要注意建物」となりますので、継続した使用については注意が必要となります。
対応としては当面の間使用を避け、できるだけ早めに専門家に見てもらってください。

Cが1つ以上、またはBが2つ以上あれば余震の影響なども鑑み、危険建物として当面使用しないようにしてください、建物への立ち入りや周辺に近づくことも避けてください。また、近隣建物にもその旨を連絡して避難してもらう必要もあります。
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4.構造体以外の外周落下危険物などの確認

その他、建物構造体の危険性とは別に、建物外周での落下危険物を確認することも忘れないようにしましょう。

・窓枠や窓ガラスに歪みや割れは見られないか?
・外装材(モルタルやタイル、石)にひび割れや落下は見られないか?
・看板や高所に取り付けた空調外機などの機器類に傾きや留め具の脱落などがないか?
・屋上の看板や空調機器類に傾きや転倒がないか? など

何れにせよ被害が認められたときは、とりあえず使用を中止し、避難を行った上で所轄の行政庁に届けるとともに、早く専門家による判定を受けることが重要です。
また、後日の罹災証明申請の為にも、出来れば写真などを撮っておくこともお勧めいたします。

*必要な用具など

建物の図面
カメラ
建物の傾斜を測る道具として
 ・下げ振り(図参照)
 ・傾斜計
脚立
ハンマーやバールなど、仕上げ材を剥がすことができる物 など

全国の都道府県庁Webサイトへのリンク

値新改修促進計画に関するコンテンツの2ページ目に、全国の都道府県庁へのリンクがありますので必要に応じてご活用ください。
応急危険度判定士の派遣依頼は、特に一律の窓口があるわけではなく、市区町村の防災課や建築指導課などや防災ボランティア事務局などが窓口になると思われます。
各自治体のWebサイト内で「応急危険度判定」として検索してみてください。
詳しくは、所轄の自治体にお問い合わせ下さい。

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