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[issued:2012.06.18]

津波を知る

─その被害低減のための基礎知識─

津波という巨大なリスクをどう考えればいのか。
津波についての情報を整理するとともに、日本における津波リスクの現状とその対応の方向性を探ります。

新谷耕平ポートレイト大成建設株式会社
設計本部 構造II群
シニアエンジニア
新谷耕平

1. 

東日本大震災における津波被害


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被害の概要
 

各地の津波高さと遡上高

各地の津波高さと遡上高
東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ統一データセットより作成


東日本大震災では、津波により、広範囲に大きな被害がでました。
国土地理院の発表によれば、宮城県、岩手県、福島県、青森県、茨城県、千葉県の6県62市町村全体で561km2と山手線内の面積の9倍にも及んでいます。
また、海岸線から最大10km前後まで浸水したとも言われており、かなり内陸まで津波が遡上したと推測されます。
 
検潮所における津波の高さ(4月13日時点)(国土交通省)
検潮所における津波の高さ(4月13日時点)(国土交通省)
(*須崎港は気象台のデータ精査結果、4月18日に 2.79mに修正)

現在、官公庁および学識者により、東日本大震災における津波の現地調査が進められています。
国土交通省が4月28日に発表した主な検潮所で観測された津波の高さをまとめると左表の通りです。
このうち「○m以上」という表記になっているのは、津波によって観測機器が破壊され、データが取得できなかった地点です。

今回の津波では観測設備が破壊されたため、測定ができたもののうち最大津波高は9.3m(以上)で、福島県相馬で観測されています。

また、現地調査の結果では、津波が内陸部に押し寄せた最大遡上高は40m弱に達しています(ただし、速報値であるため、結果が変わる可能性もあります)。
 
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津波による建物被害
 

津波の高さと被害程度

津波の高さと被害程度
(首藤伸夫・岩手県立大教授の資料から作成)


津波による建物の被害は、地震による被害とは異なる様相を呈しました。
津波による建物への影響では、津波自体の力(波圧・波力)、漂流物の衝突による力(浸水による浮力の影響)が挙げられます。

RC建物では1階の破損だけでなく建物自体の崩壊、転倒などが見られ、津波による波力は、地震力をはるかに超える大きな力であったと考えられます。
鉄骨構造でも同様の被害の他、残留変形なども見られました。
また、構造体への損傷が小さくても、外壁やサッシの破損などにより、建物内の資産が流されてしまったことも、津波被害の特徴でした。

建物に大きな損傷をもたらした「津波の波圧・波力」とはどの様なものだったのか。残存した建物はなぜ耐えぬくことができたのか。こうした被害発生のメカニズムについても、今後のさらなる検討と課題が残されています。
 
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