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[issued:2012.06.18]

津波を知る

─その被害低減のための基礎知識─

津波リスクをどう考えればいのか。
津波についての情報を整理するとともに、日本における津波リスクの現状とその対応の方向性を探ります。

新谷耕平ポートレイト大成建設株式会社
設計本部 構造II群
シニアエンジニア
新谷耕平

2. 

津波の基礎知識と対策


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津波の高さと遡上高とは
 

地震発生に伴い、震源付近では地面の上下運動が起こります。その結果、震源が海底の場合、周辺の広い範囲の海水が短時間に急激に上下することで、海面に盛り上がり、または沈み込みが発生します。この動きが周りに伝播していくのが津波です。

津波の高さは、平常潮位(津波がない場合の、その場所、その時刻での推算による潮位基準面からの高さで天文潮位とも言います)を基準として、津波によって上昇した潮位の正味の高さを計測したものです。
このため同じ津波高であっても、満潮位と干潮位の場合では潮位の標高が異なりますので注意が必要です。

また、気象庁は、津波の高さに関する下記のような用語を定めています。

1. 津波の高さ:平常潮位から上昇した海面高さ
 一般的に「津波の高さ」というのは、観測所(検潮所)での計測高さを指します。

2. 浸水深:陸が浸水した地盤からの高さ
 津波が氾濫して浸水した水の深さを指します。

3. 痕跡高:津波の痕跡の平常潮位からの高さ
 津波による浸水によって建物等に残った痕跡の最大の高さを示します。

4. 遡上高:津波が内陸部へ遡上した限界の平常潮位からの高さ
 遡上高は津波の高さよりも、さらに高くなります。
 
検潮所における津波の高さと浸水深さ、痕跡高、遡上高の関係

検潮所における津波の高さと浸水深さ、痕跡高、遡上高の関係
(出展:気象庁)


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これまでの津波対策
 

津波の被害をできる限り低減するために、ハードとソフトの両面からの対策が取られてきました。事前の津波リスク情報として津波ハザードマップが各自治体によって作成、公開され、対策のもととなっていました。

ハード面の対策としては、防潮堤による津波波力の緩和等が挙げられます。
ソフト面からの対策としては避難警報等が挙げられます。
津波情報については、気象庁により津波の到達が予想される沿岸地域と時刻、高さ、警告のレベルが発表され、自治体やマスコミなどを通じて地域住民に伝達されます。

津波リスクの高い沿岸部などでは、住民が津波から一時的に避難する「津波避難ビル」が指定されている地域もあります。
2004年のスマトラ沖地震を受けて、内閣府から津波避難ビル等に関するガイドラインが公開され、2010年には津波に対する構造耐力上安全な建築物の設計法等に関する技術的助言が国土交通省より地方公共団体に通知されています。
しかし、こうした建物への構造設計法や津波荷重についての法基準は整備されておらず、津波リスクの考え方も含め、あらゆる方面で対策の見直しや検討が行われています。
 
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