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[issued:2012.07.18]

立体自動倉庫の地震対策

―サプライチェーンの事業継続視点から―

立体自動倉庫の地震対策は始まったばかりです。
様々な情報が錯綜する中、どんな対策を、どのような手順で考えればいいのか?
自動倉庫の地震対策を事業継続(BC)視点で読み解きます。

大村直明ポートレイト大成建設(株)
エンジニアリング本部 ロジスティクス・ソリューショングループ
グループリーダー
大村直明

1. 

東日本大震災における被災状況


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東日本大震災における被害
 

東日本大震災における生産・物流施設の被災状況

東日本大震災における生産・物流施設の被災状況


2011年3月、M9.0という観測史上最大規模の東日本大震災が発生しました。
この地震は、震源地である太平洋三陸沖から茨城県沖にかけて500km×200kmにわたる広大なプレートがずれた海洋型地震であり、内陸部の広域にわたって被害が生じました。

大きな揺れが震源から遠く離れた神奈川県あたりにまで到達し、東京湾岸地域でも地盤の影響もあって、立体自動倉庫が被害を被っています。
これは、震度7や6強のような強い揺れだけではなく、繰り返し発生した余震や、長周期地震動などにより立体自動倉庫の背の高いラックに影響を与えたためと思われます。
 
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立体自動倉庫で起きたこと
 

今回の地震による本震及び本震以外のM4以上の地震活動状況

今回の地震による本震及び本震以外のM4以上の地震活動状況
2011年3月11日〜5月7日まで
(気象庁、新編・日本の活断層のデータに基づいて作成)

こうした立体自動倉庫の被害状況を調査していくと、構造体そのものの被害よりも荷崩れによる被害が多いことがわかってきました。

地震によってラックの上層部から荷物が転落し、通路が塞がれたために、倉庫機能が停止し、これらを手作業で取り除く必要が生じました。また、こうした作業の間にも強い余震が数多く続いたことで、上部に残った荷もバランスを崩し、倉庫内が非常に危険な状態になりました。
このため、復旧に向けて、
高所作業を行う専門職(鳶職人)に依頼し、上段に残った荷を撤去する
人が通る道を作るために、建築現場の足場材などでトンネルを作り安全通路を確保する

などの事前作業が必要となりました。

また、落下の衝撃で「給電トロリール」などの電気系統が破損し、それらの修復も必要となりました。
立体自動倉庫は通常、万一の場合に備えて保守部品をストックしていますが、その対象は入手困難な特殊部品であり、給電用トロリールなどの汎用品は早期に調達できることを前提にストック量を抑えていました。しかし、現実はこれらの汎用品などを製造するメーカーの工場も被害を受けており、このため代替部品が届かず、修理が進まない状況が続きました。加えて、スプリンクラー配管等の設備損傷による保管物への水被害が重なるなど、複合的な要因が復旧への大きな障害となりました。
 
地震時の荷落下防止のための基本対策

現在、様々な対策方法が取られている立体自動倉庫の地震対策。
荷姿や運用法の工夫に加え、ラックの揺れを抑えるという基本対策が、これからの立体自動倉庫における地震対策の要になってきます。

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