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[issued:2012.09.19]

旧耐震建物への投資、その検討ポイント

─経営者を元気にするためのファシリティマネジメントの取り組み─

旧耐震建物にとって大きな課題である耐震化投資について、ファシリティの活用と将来像という観点から考察します。

丸山玄ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部 FM推進室
課長
丸山玄

2. 

投資価値を推し量るための現状評価


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建物の資産価値評価における耐震性
 

PMLによる耐震化投資の評価例

PMLによる耐震化投資の評価例
この場合は、耐震化の初期投資は免震レトロフィットが一番大きくなっていますが、PMLの算定結果からの最大損失額を考慮すると、逆に一番小さくなっています。
(再調達費20億円、3000m²、10階建ての建物の場合の概算例)


これからのことを考え、適正な投資をする上では、まず、その建物の持つ現状の資産価値を正確に把握することが重要です。
資産価値の評価方法については様々な方法やアプローチがありますが、耐震性能の面からの評価方法の一つに、PML(Probable Maximum Loss/最大予想損失率)の算定があります。PMLとは建物の使用期間中に発生が予想される最大規模の地震が起きた時に、その建物が受けるであろう最大の物的損失額(90%非超過確率という)の、再調達費に対する割合を言います。通常は地震保険料の算定や不動産証券化に伴う評価などで利用されます。
PMLは、建物の耐震性能によって導き出されますので、耐震化の目標レベルの検討においても、どのような対策がどの様な低減効果をうみ、それが資産価値としてどう評価されるかの指標とすることができます。
 
こうした評価を踏まえ、耐震化の目標を「人命の安全確保」と言う必要最低限のものとするのか、「全体の機能維持」まで持って行くのかなど、 耐震化の目標レベルとして耐震化投資を検討するアプローチがあります。
 
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ハードウェアとしての評価項目
 

評価フェーズ

評価フェーズ

耐震化を図る上では、その建物を今後どの程度使い続けていくのかと言う視点も欠かせませんが、その場合は、耐震性能以外の点についての定量評価も必要でしょう。
建物のハードウェアとしての評価方法として、デューデリジェンス(適正評価手続き)があります。デューデリジェンスは、投資対象の実体や適正な購入価格の算定、対象物件に内在しているリスクを適正に把握するために事前におこなう多面的な調査です。法務、財務、ビジネス、人事、環境といったさまざまな観点から調査を行ない、土地の価値、耐震性、機能面、省エネ等、総合的な視点で、建物の現状を評価します。
 
しかし、それを利用、活用する立場にとって、ファシリティとしての価値はこうしたハードウェアとしての評価だけではありません。
ファシリティを働く場、何らかの形で人が利用する場として考えると、その場の雰囲気や使いやすさ、働きやすさなどといった評価は、生産性や社員のモチベーションの向上、しいてはブランドの訴求など、ファシリティが持つ無形の価値として注目されつつあります。
 
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