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[issued:2012.10.24]

地震対応力の高いマイクロデバイス生産施設

─対応力+復旧力で高めるレジリエンシー─

弱い地震でも影響を受けやすいマイクロデバイス生産施設。
高価なうえにセンシティブな生産装置を守るための有効な手段とは? 被災前の対応と被災後の復旧を見据えた包括的な対策を解説します。

上田俊彦ポートレイト大成建設(株)
エンジニアリング本部 電子・エネルギーデバイスグループ
グループリーダー
上田俊彦

1. 

マイクロデバイス生産施設の地震被害


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東北地方太平洋沖地震での被害がもたらしたもの
 

2011年3月11日午後、東北地方太平洋沖地震が発生しました。
東北地方は度重なる大型地震を経験しており、この教訓から高いレベルの地震対策が行われていたにもかかわらず、これまで経験したことのない地震被害を受けました。
また、『我が国観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した巨大地震』、『大津波による未曾有の大災害』などの、『想定外』が地震被害をより増大させたばかりでなく、4月以降もたびたび発生した『大型の余震』が、災害復旧を遅らせる大きな要因になりました。
東日本地域に立地するマイクロデバイス工場でも建物や生産設備の破損、工場インフラライン(電気、水など)の停止、交通の遮断などの要因により、製品(半導体)の工場生産が長期間停止しました。この結果、関連産業(自動車、家電など)への膨大な間接被害が生じ、日本ばかりでなく世界の産業界へも大きな影響が出ました。
3.11以降、我が国のような地震国において、地震リスクが極めて大きいことが再認識され、今後発生することが予測されている大型地震に対する耐震性能向上がマイクロデバイス工場の課題となっています。同様の地震がいつ起きてもおかしくない状況の中、短期間に効果的な耐震対策を実施することが、企業責任の遂行、信頼の維持といった面で企業経営においても重要になってきています。

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マイクロデバイス施設の特徴
 

マイクロデバイス工場は、『巨大』『高価』『精密』という特徴があります。幅50m×長さ数百m×高さ30m以上の巨大な建物の中に、1台1億円を超えるような高価な生産装置が数百台設置されており、生産装置は数十n(ナノ)単位の精密加工を施しています。設備投資規模は1000億を超える場合もあり、対策を行わない場合、地震による被害及び復旧費用は膨大な金額になります。
また、マイクロデバイス製造のために多種類のガスや薬液などが使用されており、地震による施設破損によるガスや薬液の漏えいは、工場作業員への災害の危険性ばかりでなく、工場の復旧を妨げる大きな要因になる可能性が高いと考えられます。

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地震被害の特徴を整理
 

図1にマイクロデバイス施設の被害の事例を示します。施設への被害は、建物躯体や内装設備といった建物本体の損傷はもとより、建築設備、ユーティリティー設備(ガス・薬液供給設備含む)、搬送設備、生産装置までの広範囲にわたります。マイクロデバイス工場では、微細加工を行うため微振動対策として建物躯体の構造強度が高くなっています。したがって、床、壁、柱等への確実な固定を行うことにより、耐震性能の向上が可能です。逆に、固定が不十分な場合には装置と壁、配管と壁との衝突、装置の移動が発生し、破損や薬液、ガスなどの漏えい被害の原因になります(図2)。
 
図1 マイクロデバイス工場の地震被害 地震により、建物は健全でも、非構造部材や設備が損傷するおそれがある

図1 マイクロデバイス工場の地震被害
地震により、建物は健全でも、非構造部材や設備が損傷するおそれがある
 
 

図2 マイクロデバイス生産施設における地震被害事例(生産設備廻り)

図2 マイクロデバイス生産施設における地震被害事例(生産設備廻り)
 


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