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[issued:2005.11.19]

新潟県中越地震での事業継続への影響

ビジネスインパクトの要因分析レポート

新潟中越地震における企業の被害状況から、事業再開に影響を与えた要因(ビジネスインパクト要因)についての分析結果です。
今後の事業継続管理(BCM)のあり方と事業継続計画(BCP)策定の方向性を探ります。

杉崎良一ポートレイト大成建設(株)
LCC推進部 耐震推進室
参与
杉崎良一

2. 

ファシリティ ∼余震対策が新たな課題に∼


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 地震被害と聞いて真っ先に思い浮かぶのは全壊、倒壊といった建物への深刻な影響ですが、この地震では多くの企業が建物の耐震化を進めていたこともあって、建物そのものへの致命的なダメージを被った例は少数に留まりました。
 にもかかわらず、建築設備の耐震性が問題となり事業継続を妨げたのは30件と最多要因に挙げられているのは、実は建物本体(構造体)に関する被害が中心ではなく、天井やドア、窓ガラスと言いった内装(建築2次部材)や建物機能を維持するための設備機器や生産設備、そして事務所内の什器へのダメージが原因となっているためです。

具体的な被害を例示すると

配管等がずれたため、漏水により施設内が水浸しになった。
屋上の貯水タンクが破裂し、階下に損害
ガス漏れ等があり、その対策に追われた
工具等が散乱したうえ、転倒した機器等の下敷きになり使用不可
什器、設備がアンカーごと倒壊
机上のPCや書類が散乱

等が挙げられます。
 その反面、免震構造を持つ建物では設備転倒や落下などの被害はなく、早期の事業再開を可能にしたという報告もありました。

 先の「F1 余震」の影響も実際には建物の耐震性の問題と考えることができ、事業継続において重要なのは「建物、施設そのものを守る」ことではなく、「その機能を守る」という視点であることがわかります。



大成建設が独自の設計指針で定義している耐震グレードの考え方と今回の地震の位置づけ
重要な機能を持ち、迅速な業務再開が必要な施設においては、免震を考慮していく必要があることがわかります。


※気象庁の発表(12月28日現在)によると新潟県中越地震における有感地震の累計は877回にもおよび、そのうち18回が震度5弱以上となっています(兵庫県南部地震では最大で震度4、回数にして8回)。
頻繁かつ大規模な余震により、建物、設備への安全点検が進まず、復旧を遅らせることとなりました。また、事業を再開した企業においても精密部品を製造しているため、余震が続いている間は生産ができないといった問題も露見しています。余震への対策は、今後事業継続を考える上で考慮に値する大きな課題のひとつであるといえるでしょう。

事業継続(BC)のためのファシリティ構築

事業の継続性を確保するためには、施設設計で何を行わなければならないか、「震災対応設計指針」を中心に解説します。

事業継続管理に織り込む施設計画

 企業にとって施設は事業を営む上でのための道具であり、スタッフやサプライチェーンの集結する場として、経営を支える需要なリソースの一つであると言えます。大成建設のBCMソリューションを提供する設計本部副本部長の町井さんに、その取り組みについてのお話を伺いました。


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