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[issued:2008.07.17]

長周期地震動と超高層ビル

∼その課題と対策に向けて∼

都市の超高層建物にとって新たな課題となってきた長周期地震動。 その発生のメカニズムは?建物にあたえる影響は?そして、私たちはどの様な対策を取ればいいのでしょうか?

細澤治ポートレイト大成建設(株)
設計本部 副本部長
構造設計プリンシパル
細澤治

4. 

超高層建物の課題 ー安全、そして安心へー


anchor flag
 効果的でバランスの取れた対策を取るためには、現状でどれくらい変形し、揺れるのかを把握することが不可欠です。同じ高さの建物であっても、同じ揺れ方をするわけではありません。揺れ幅も異なれば、その加速度も建物によって違います。

 長周期地震動によって建物がどれくらい、どの程度揺れるのかは「応答解析」によって知ることができます。日本では超高層建物の設計に応答解析が義務づけられているため、データが残っていれば、それを使って短期間で解析することができます。
 応答解析により揺れ方が分かれば、どこに、どんなリスクが潜んでいるのかを把握することができるようになります。そして、どこまでの機能維持が可能であり、維持すべきなのかを判断し、目標を立てて制震による全体の対策と設備等の個別対策をそれぞれコストとのバランスを図りながら計画、実行していくことになります。

 これらの事は、何も長周期地震動、超高層ビルに限った特別なプロセスや手法というわけではありません。通常の地震動であっても「建物が揺れる」ことに変わりはなく、安全、安心を確保するために対策が必要であることにも変わりはありません。

 「まず現状を把握し、どれくらいの揺れが発生し、それによりどんな影響が出るのか、その際致命的なものは何かをリスクシナリオで把握する」ことは地震対策を考える上での基本といえます。
 そして、全体対策でどこまで対応可能か、何が個別対策として必要なのかを把握し、実際に対策を決定していくことが重要です。

 先に述べたように、建物はそれぞれ違った揺れ方をします。揺れの大きさが異なれば、それに応じてリスクシナリオも違ったものとなります。異なる揺れ、異なるリスクシナリオに応じて全体の対策、個別の対策それぞれをロジカルに対応させる。これこそがバランスの取れた地震対策といえます。

 超高層建物は多くの人々が生活し、活動する場となっています。
 地震時の安全性を確保するのは当然として、例えば、エレベータが早期に復旧できなくなれば上層階は「孤島」に近い状況になるなど、被災後における建物の機能維持が高いレベルで求められます。
 特にオフィスビルの機能維持は事業継続性の確保にも直結する問題であり、エレベータはもちろん、電気、ガス、水道といったインフラが維持あるいは早期に復旧できることは企業経営において大きなアドバンテージとなります。

 長周期地震動は地震対策の新たな課題ではあっても、特別な課題ではありません。

まず現状を把握し、適切なリスクシナリオによって、地震というリスクに包括的に、プライオリティを付けた対策を計画立てて行っていく。
これはどのような地震であっても変わる事の無い基本事項といえます。
 
アリの目とトリの目、そして第3の目で取り組む事業継続

取引先から等の外部要求の拡大により、ますます必要になってきた事業継続管理(BCM)。しかしその担当者には、現実に行われている「部門や事業所単位での取り組み」だけでは応えきれないのではないか?というジレンマもあるようです。

長周期地震動対策やリスクシナリオ構築についてのご相談はこちらからどうぞ。

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