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[issued:2013.11.27]

天井の地震対策、関連法令の改正ポイントとその対応

─既存天井の崩落防止対策─

東日本大震災での多くの天井被害を受け、国土交通省から建築基準法施行令の改正と新しい告示が公布されました。今回はその対応に向けたポイントと、また既存天井に有効な対策の選択肢となる天井崩落防止措置についてご紹介します。

尾方大輔ポートレイト大成建設(株)
建築本部建築技術部仕上げ技術担当
課長代理
尾方大輔

1. 

被災時の天井被害


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東日本大震災では多くの天井の脱落被害が発生しました。被害件数は2,000件以上にのぼり、人的被害は死者5名、負傷者70名以上となっています。しかし、この数字はあくまで確認されているだけですので、実際にはさらに多くの天井被害が発生していたと考えられます。

3成分合成加速度が1G(1000gal)を超えた地点

3成分合成加速度が1G(1000gal)を超えた地点


東日本大震災の地震規模は、マグニチュード9.0、最大震度階7という巨大地震でしたが、基本的に地震力を定量的に評価するには、最大加速度というもので評価します。また、どれだけの大きさの加速度となるかは地盤特性に影響を受けますので、一概に震度階7で天井が脱落するとか震度階5で大丈夫といった評価はできません。
今回の震災では多くの地域で水平の加速度が1Gを超え、最大で3G近くまで観測された地点がありました。しかし、これは地表面の加速度なので、実際に天井に発生する加速度というのは、これの2倍、3倍に増幅されます。
 
加速度の増幅概念図(地表面加速度 → 床応答加速度 → 天井面応答加速度)

加速度の増幅概念図(地表面加速度 → 床応答加速度 → 天井面応答加速度)


 
では実際に天井部分でどのような被害が起こったかを整理してみます。
オフィスの例では、天井が全面的に崩落すると、共に天井面に固定されていた間仕切り壁や書棚類も転倒している例が見られました。
天井だけでなく、間仕切り壁・設備の耐震化も重要

天井だけでなく、間仕切り壁・設備の耐震化も重要
大成建設による被害状況(全国集計)(2011年3月21日時点)


ホールのような天井は、折り上げや段差、斜めの仕上などが多用されるなど複雑な形状をしており、さらに防音や遮音のために仕上げ材の比重を上げていますので、天井重量が非常に重くなっています。またラインで照明がつけられたりしていますので、局部的に応力が集中しやすい構造と言えます。

ショッピングセンターでは天井とともに空調機器や、中が空洞で軽く水平力の影響を受けにくいと考えられがちなダクトが崩落しています。こうした崩落例を見ますと、天井はもちろん設備類の補強も必要であることが分かります。

右の表は、東日本大震災での震災被害の調査結果を集計したものです。
天井被害は部分的な落下も含めて総計214件が確認されました。しかし、間仕切り壁の方は278件と天井よりも多い被害が確認されており、さらに設備は240件となっています。
このことは、地震への対策として、天井のみならず、間仕切り壁や設備の対策も同時に行われないと本当の意味での被害防止には不十分であるということを示しています。
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