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Taisei's Eye >> BC(事業継続)視点で考えるワークプレイス・イノベーション
[issued:2007.07.18]
BC(事業継続)視点で考えるワークプレイス・イノベーション
∼RTO(目標復旧時間)の削減を目指したオフィスリニューアルの進め方∼
耐震補強とリニューアル。オフィスに要求される種々の課題を解決し、最適なコストで最大の効果を引き出すためのポイントについて考えます。

大成建設(株)
FM推進部
FM室 室長
成田一郎
こんな方へおすすめのコンテンツです
・ オフィスの使い勝手に悩んでいる企業の施設管理担当の方
・ 旧耐震設計のオフィスビルを持つ企業経営者の方
・新しいオフィスを計画しているファシリティマネージャーや企業経営層の方
オフィスの耐震補強とリニューアル
一般的なライフサイクルコスト(LCC)の計算例
一般的には設備機器等の長期修繕費用の計画となります。
補強方法別のリスクLCCの例
この建物では、地震による補修費用を勘案すると、11年目で補強コストがペイすることになります 。
補強方法別のPMLの算定例
「BCP策定支援サービス」等では簡易にPMLの算定を行うことが可能です。詳しくはお問い合わせください。
業務の多様化、ワークスタイルの変化が激しい現在、「働きやすさ」や「モチベーションの向上」さらには「コミュニケーションの向上」を実現する「新しいオフィスのあり方」といったものが問われています。
そのため、オフィスにおける耐震補強のプロジェクトでは、それを機に全面的なリニューアルに踏み込むケースが多くあります。また、最近では「リニューアルを計画したら耐震補強が必要と指摘された」といったお話も、よくお聞きするようになってきました。
耐震補強においては「耐震改修促進法」の認定によって、大規模なリニューアルの際に求められる「確認申請」が不要となる特例措置が認められています。耐震補強の認定を受けることで容積率等の耐震規定以外の不適格事項の存続がやむを得ないと認められる場合は、その制限が緩和されるため、逆に全面的なリニューアルも可能になってきます。
しかし、現在使っている建物を、今後いつまで、どのように活用して行くのかということは、ビジネスにおける働き方やオフィスワーカーの生産性向上を考える「経営戦略としてとらえることが重要です。効果的に進めるためには、何をどこまでやるのかという目標とそのための指標が必要になります。
施設戦略の場合、まず基本となるのがライフサイクルコスト(LCC)であり、これはコスト面における中長期的な観点からの指標となります。
施設の耐震性能を考える場合、現行基準と同程度を意味する「Is値:0.6」以上とすることが必要となります。これは地震から人命を守るための性能として、最低限必要な指標であり、施設の重要度等によっては重要度係数として1.2倍などの割り増しも設定されるケースがあります。
耐震性は、平成18年の宅建法の改正等でも「重要事項説明」に「耐震診断の有無とそれに基づく耐震性の状態」の記載が追加される等、建物評価の重要要素として認識されるようになっています。こうした耐震性から資産価値を評価する指標として「予想最大損失額:PML= Probability of Maximum Loss」といったものも取り入れられるようになってきました。PMLは不動産の証券化に際して、不動産の将来収益の予測を考える指標として、現在、不動産業で多用されています。
耐震診断結果によって得られる耐震指標Is値。
一般的には補強計画においては、この指標が0.6を上回ることが目標となりますが、それはどのような耐震性能を意味するのでしょうか?必要な耐震性能を確保するためには、どのような点に注意して計画を進めればよいのでしょうか?
ローコストかつスピーディに耐震性能評価を行い、耐震化プロジェクトにおける建物オーナーの方の素早い意志決定を支援します。
補強目標とワークプレイスニーズの抽出
さらに、近年では企業における耐震化の実質的な目標が「事業継続性」の確保へとシフトしてきています。事業継続(BC)では、「リスクによる事業停止の影響を最低限とするとともに、影響を受けた場合は一刻も早く業務の再開をはかる」ことが目標になってきます。この業務の再開目標を「目標復旧時間(Recovery Time Objective: RTO)」といいます。
設定した目標時間内に業務を再開するには、その業務に必要な施設機能へのダメージを低減し、できる限り安全性を確保しておくことが重要になってきます。この場合、耐震性には従来の構造的なものだけでなく、非構造部材や設備機器等の耐震性も併せて考えていくことが必要となります。
また、事業継続に不可欠な機能を洗い出すには、業務にプライオリティを付けた上で、その構成要素を分析し、それぞれのボトルネックを突き止めた上で耐震性を検討し対処していくことが求められます。
しかし、業務全般に対して、こうした分析を行うことは非常に困難であり、ひと口に「重要な業務やそこに潜むリスク」といっても、ユーザー自身が認識していないものも多くあります。加えて、「新しいオフィスのあり方」までも考慮するとなると、その課題は広範なものとなります。
一般的にこうした分析を行うには、まずユーザーが認識しているニーズを引き出するため、アンケートやインタビューを実施します。しかし、その質問項目は作成者のこれまでの知識や経験によってあらかじめ想定したリスクやニーズに限定されてしまいます。
大成建設ではプロジェクトを進めるにあたり、環境心理学の評価グリッド法を応用したインタビューによる分析手法「T-PALET」を開発。20年近くに渡り、施設戦略の構築から効率的な運用や改善に活用してきました。
T-PALETは経営幹部だけでなく一般社員、受付、施設関係者や施設利用者まで、施設に関係するあらゆる立場、年齢、性別の方々からバランスよく対象者を選び、リラックスした雰囲気の中で施設に対するニーズや問題点を自由に語ってもらう所からスタートします。
会話の内容は、独自のフォーマットでプライオリティがわかるよう整理・分類され、報告書にまとめます。さらに、こうして整理された課題をもとに、複数回のコミュニケーションを行います。この段階でニーズや問題点は、わかりやすく体系化・コンセプト化されます。
このように、当初は
漠然とした不満だったものが、分析を重ねて行くことによって
具体的な評価や要求事項(ウォンツ)、そして
課題(ニーズ)へと顕在化し、関係者間で何が「真に」認識すべきリスク、解決すべき課題であるかを明確にすると同時に共有化することが可能になります。
T-ALETによるワークプレイスの例
大成札幌ビル:プロジェクト単位で動く部門は個人ロッカー+フリーアドレス+シンキングスペースを基本としました。
特集:BCMに取り組む 第1回目は、インターリスク総研の小林誠さんに、BCMに対しする国内外の動向と国内企業の取り組みの状況、そしてこれからのBCMのあるべき姿について伺いしました。
免震ではなく、制震でもない。耐震カテゴリーの概念を一新する「TASMO」。新たな耐震技術が環境配慮建築と一体になり新しいワークプレイスを生み出しました。
機能性、快適性、安全性、コスト、エコ etc・・・、トータルソリューションが求められる、これからのオフィス・ファシリティに対する、ひとつの解がここにあります。
正確な現状把握で実現する最適なコスト配分
こうして抽出され、具体化、共有化されたリスクやニーズは理想的なオフィスを実現するための要件となり、実際のプランや仕様へと反映させていくことになります。
ケース1
オフィスのイメージリニューアルの場合
ケース2
事業継続を目的とした耐震補強計画の場合
上に挙げた2つのケースからもわかるように、T-PALETは立場の異なる関係者の持つ課題を整理していくことで、本当に必要な仕様を設定して行くことが可能です。
特に業務の復旧については経営者として「一刻も早く」というのが理想でしょう。実際、はじめは多くの方が「うちの業務は一時も止めることは出来ない」「業務の中断が許されるのは最悪でも24時間以内」とお答えになります。しかし、実際に24時間での再開が可能なケースはそう多くはなく、実際に検証されている訳でもない場合がおおいのです。また、逆に、その業務が本当に24時間以内の再開が必要なのかも検討されていないこともあります。
真のリスクやニーズを把握し、業務を分析して行けば、本当に24時間以内での再開が必要な業務はかなり限られる場合も多く、地震時のダメージそのものを低減できれば、必ずしも24時間以内での再開が必要ではないものもあると思われます。
RTOを短縮するには、事業を構成する要素である「ヒト」「モノ:ファシリティ」「カネ」そして最近では「サプライチェーン」や「情報」など広範にわたる対策が必要になります。限りある予算とリソースの中でこれ実現していくには、何が「真の」課題であるかを見極め、プライオリティに沿ってコストやリソースを適切に配分していくことが必要です。
T-PALETは、この点においても非常に強力なソリューションツールであるといえます。
補強方法別のRTO算定例
上述のPMLと同様に、BCP策定支援サービスの中で算定することが可能です。
事業継続性に対する意識とその手法であるBCMへの取り組みや具体策であるBCPの策定への取り組みはこの1年ほどの間に大きく変化しつつあるといえるでしょう。
「日本版BCPガイドライン」に準拠した「事業継続計画書」を短期間に策定するための支援サービスです。
オフィスリニューアルはRTO短縮のスタート
大成建設はT-PALET等の手法を用い、企画の初期段階からご相談を承っております。
人の命を地震から守る。これはオフィスに限らず建物に必要な最低限の機能でありCSRの観点からも、現在では外すことはできない課題といえます。
さらに現代の企業では「事業継続性の確保」が新たな命題として取り上げられるようになってきており、そのために必要な情報やデータ、生産ラインなど守るべき対象やレベルがますます高く、厳しいものとなります。
それだけに、ファシリティに対してもより高度な管理と運用が求められるようになっています。業務の多くを建物や施設の機能に依存している今日、建物をどのようにマネジメントするかという問題は、経営戦略とは切っても切れない関係にあるといえるでしょう。
だからこそ、耐震補強を考える際、あるいはリニューアルを計画する際には
「今後のオフィスのあり方とBCの視点での耐震化を同時に考える」という複眼的な視点でとらえることが重要になります。
経営者、建物の利用者(社員)、メンテナンススタッフ、来訪者、近隣など、「施設」に関係するさまざまな人々の現状認識を把握、整理し、隠されたニーズを引き出し、最適なソリューションへと結びつけて行くことは、リスクを把握するという意味からも今後の経営戦略においても欠かせない要素なのではないでしょうか。
RTOの短縮は一朝一夕にして成るものではありません。
BCPにおけるPDCAのサイクルで検証しながら継続的に取り組んでいく必要があります。そして重要な事業基盤の一つでもあるファシリティの耐震補強とリニューアルの取り組みは、それが、目的としての終着点ではなく、そのスタートとしてとらえることが重要です。その後の運営の中で改善を続け、新たな課題を探り出していく=継続的なマネジメントができるようになってこそ、その後の真の目標に近づいて行けるからです。
それだけに、このスタート段階で、どれだけ課題やリスクを探り出し、関係者全体の共通認識化ができるかが計画全体の成否を握るカギとなるといえるでしょう。
大成建設はゼネコンとしてプロジェクトの構想段階から、企画、設計、施工そして施設運営までファシリティにかかわるすべての段階でソリューションをご提供いたします。
特に簡単な会話を通して真のニーズを引き出せるT-PALETは、プロジェクトを成功に導くことに大きく寄与することと思われます。ぜひ一度体験してみて下さい。
BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)
あらゆる災害から仕事や生活の被害を最小限にする、もし損害があっても短時間で復旧させる! これが大成建設のBCMです。
事業影響分析のための被災想定をはじめ、それに基づく効果的な減災対策、そしてBCPの構築から運用までをトータルにサポートいたします。
大成建設のファシリティマネジメント
企業にとって、施設は大切な経営資源です。
企画立案からリニューアル計画まで、大成建設のFMは、お客様の立場になってきめ細かくサポートします。