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[issued:2009.10.21]

すべてはお客様の「安全・安心・快適・便利」のために。

銀座パーキングセンター様の耐震補強リニューアル

東京・銀座の地下に約800台を収容する、国内最大級の地下駐車場「西銀座駐車場」の12年にわたる取り組みとは?


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1995年1月に発生した阪神・淡路大震災。それまで地震に強いと言われてきた地下構造物である地下鉄の駅が、激しい上下動により柱が押しつぶされる被害を受けました。その時点から、西銀座駐車場を経営されている銀座パーキングセンター様の耐震補強へ飽くなき取り組みがはじまりました。

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公共性の高い都心のインフラとして、つねに時代に求められる駐車場であるために、耐震補強、そして設備更新を進めています。株式会社銀座パーキングセンター 取締役 施設部長 高橋康夫(たかはし・やすお)さん


東京・銀座の地下に約800台を収容する、国内最大級の地下駐車場「西銀座駐車場」。
1995年の阪神・淡路大震災の発生直後から、地下駐車場としては全国に先駆けて着手された耐震診断・補強が、今年、2009年3月に完成しました。
駐車場としての信頼性と事業継続性を高めるために、12年間にわたる取り組みについて、西銀座駐車場の施設部長である高橋康夫様にお話を伺いました。

 
 
開設当時の場内
開設当時の場内

大震災の現実を受け止め、発生直後から行動を開始しました。

阪神・淡路大震災で起こった神戸市営地下鉄・大開駅の被災はショックでした。
それまで地震があっても安全といわれていた地下構造物が被害を受けたこと、そして駅が道路の真下にあること、施工方法が開削工法であることなどは、西銀座駐車場と条件が同じだったからです。
当駐車場は、東京オリンピックを契機とした東京都心のインフラ整備の一環として1964年に完成したもので、すでに30年以上がたっていました。そこで耐震性能の確保と老朽化対策の両方に取り組むことが、公共性の高い駐車場という施設をまもることが当社の社会的使命であるとの自負のもと、早急に取り組みを開始しました。
 
 
まずは駐車場の現状を診断・把握。直ちに耐震補強への取り組みに踏み切りました。

95年の12月には「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」が施行されました。当社は公共性の高い施設であるということもあり、それに先駆けて大成建設さんに耐震診断についてご相談しました。やはり、1981年の新耐震設計法以前の構築物ということもあり、施設全体にわたって新たな法律や基準に基づく耐震診断を行うこととしました。

綿密な診断の後、翌年の12月には報告書を大成建設さんから受取りました。
しかし、耐震補強投資はそれなりの金額になります。また、駐車場として使いながらの補強になりますので、全てを一度に行うことはできません。完成までは時間もかかります。
しかし、お客様の安全・安心、そして駐車場としての事業継続性を考えると悠長なことは言っていられません。補強を行うと決め設計作業に入っていただきました。
 

換気シミュレーション

換気シミュレーション


耐震補強とともに、駐車場の全面的なリニューアルにも取り組みました。

半年後には東京都と耐震改修促進法に基づく認定についての事前交渉を開始、報告を受け取って1年かかりましたが東京都知事から当社に対し最終的な「認定通知書」が交付され、着工に至ることができました。阪神大震災から2年が経った、1997年12月のことです。
耐震性能向上のための躯体補強とあわせて、竣工後30年以上もたっている駐車場全体のリニューアルにも着手しました。
例えば地下の駐車場ということで「換気性能」は最重要項目のひとつです。そこで、耐震診断と並行して「換気シミュレーション」も大成建設さんに依頼し、耐震補強と同時に給排気設備の更新も行うことにしました。
 
 
耐震補強工事の年次計画
耐震補強工事の年次計画

駐車場の構造に応じ4タイプの補強方式を採用、工事エリアをローリングさせながら、長寿命対策も並行して進めました。

耐震補強工事はB1、B2の駐車フロアのうち、B2フロアを先行して完成させ、その後B1フロアに着手することを基本としました。
躯体の補強と給排気ダクトの改修は同時進行、老朽化の進んでいる天井・床・壁などの補修は2000年までに完了させることとしました。毎年40台から120台単位で車室ブロックを閉鎖し工事エリアを確保、車の安全性や出入りを妨げないように慎重に工事を進めました。工事自体は日中に行えますが、資材の搬入出は車路を使用するため、車の出入りが少なくなる夜間に限定するということで計画してもらいました。
補強方式については、地下構築物は地上構築物と違って地震による変位は少ないのですが、前述の地下鉄駅の被害を参考に、躯体の構造形態に応じて、ブレース方式と柱に鉄板を巻く方式の組み合わせを適材適所で採用しました。
 
鉄骨ブレース補強

鉄骨ブレース補強

柱の鉄板巻き補強

柱の鉄板巻き補強


 
 
駐車場で入り口に掲示してある「耐震改修済み証」
駐車場で入り口に掲示してある「耐震改修済み証」

耐震改修/耐震改修済建築物として、東京都から認定をいただきました。

計画から12年間の工期を経て、今年2009年3月に完了した耐震補強工事に対しては、「現行の耐震改修促進法に基づく耐震診断の指針又は建築基準法に基づく耐震基準に適合している建築物」として、東京都から「耐震改修/耐震改修済建築物」の認定証をいただくことができました。
この認定は東京都では14件目に当り、公共の地下駐車場では初となります。この認定が、私たちの先輩の、そして先輩たちから私たちが受け継いでいる、都市インフラとしての駐車場をまもる姿勢へのご評価だと真摯に受け止めると同時に、大変誇らしく思っています。
 
 
ナンバー読み取りによる事前生産方式を導入したゲート

ナンバー読み取りによる事前清算方式を導入したゲート


駐車場としてのサービスレベルの向上にも努め、ご評価いただきました。

またこの間に、駐車場としてもサービス向上を図るための施策を行ってきました。
電気室、中央事務室などの基幹施設をはじめ、お客様が利用されるラウンジ、トイレ、そしてサインシステムなどを全面的にリニューアルいたしました。
また事前精算システムと連携し、ナンバープレートを自動的に読み取り出庫を円滑にする「車両番号認識システム」を日本ではじめて導入。車室毎に「人工網膜センサー」を設置しLEDサインで空車室へと誘導する満空表示やドーム型カメラを利用した防犯対策。
2004年に「第1回ベストパーキング賞」を受賞
2004年に「第1回ベストパーキング賞」を受賞

さらには緩傾斜スロープによる段差解消や身障者用車室やトイレの設置などのバリアフリー対策など、97年の耐震補強工事の開始ととともに継続的に取り組んで来た事もご評価いただき、2004年には122件のエントリーの中から「第1回日本ベストパーキング賞」最優秀賞をいただきました。
 
AR(人工網膜)センサーと表示灯による車室管理システムを導入

AR(人工網膜)センサーと表示灯による車室管理システムを導入

地下鉄コンコースへのスロープ

地下鉄コンコースへのスロープ

身障者用車室とト

身障者用に設けた車室とトイレ


 
高橋さん
これからの西銀座駐車場についてお話をされる高橋取締役施設部長

さらなる安全・安心・快適・便利を目指し、これからも時代に求められる駐車場を目指します。

この「日本ベストパーキング賞」の表彰理由には、地下設置であることと人・車の出入口を沿道ビルと共有化することにより街並景観の保持に貢献している、という点もあげられていました。これは駐車場を計画した先輩たちの叡智までを含めたご評価ということでとても感慨深く、30年以上も前に新たな都市建設に立ち向かった方々の姿勢にあらためて思いを馳せました。
「西銀座駐車場 耐震補強および関連工事の概要」冊子

2西銀座駐車場_耐震補強および関連工事の概要(2007年発行)


工事の間、車室が減れば収入も減ります。経済状況の変化からも影響を受けます。この長期間にわたる膨大な投資が実現できたのも、当社だけでなく、大成建設さんを含めた関係者の、さらなる安全・安心・快適・便利を求める強い想いがあればこそだと思います。
これらの認定や受賞もあってでしょうか、国内はもとより中国など海外の駐車場関係者の視察もあります。関係行政機関、株主へのご報告ということもあり、耐震補強が概ね完成した2007年には、それまでの当駐車場の取り組みを「西銀座駐車場 耐震補強および関連工事の概要」という冊子にまとめさせていただいています。
現在の西銀座駐車場
現在の西銀座駐車場

都市インフラの一端を担う駐車場として、今後も課題は多岐にわたります。
自動精算システムも導入後10年を向かえ、これからはPASMO、SUICAなどの電子マネーやクレジットカードへの対応も必要と考え、その更新を来年2月に計画しています。また、近年エコの面で注目を集めている電気自動車の普及に伴う充電設備の導入も課題と受けとめています。
西銀座駐車場は開設以来45年が経ち、これまで一貫して銀座における重要な交通インフラであると自負してます。今後も長きにわたってその役割を果たしていかなくてはなりません。
大成建設さんには、こうした私どもの使命がはたせるよう、長寿命化のための対策や省エネ、環境対策などさらなる技術開発とそれによるサポートを期待しています。
 
耐震改修促進法の改正とその周辺施策

2006年1月26日より施行された改正耐震改修促進法について、建物の所有者にとってポイントとなる部分を中心に解説します。

技術力、現場力、そして人間力で実現する「使いながら」

いまや一般化しつつある「使いながらの耐震補強」。
建物を事業活動の場として使いながら耐震補強は、建物の診断力、補強の設計力に加え、確かな「現場力」によって実現します。


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