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[issued:2006.09.13]

工場を止めない「その場建替え」とは?

昭和電工(株)小山工機保全課長 山士家様インタビュー

耐震性が不足する古い工場を、稼働しながら新しい工場に置き換える「大屋根工法」。その現場ではどの様な事が行われたのでしょうか?


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ビジネスの原点とも言える鍛造工場。その炉を止めるということは工場全体の停止を意味することになります。 同じ場所で、工場を稼働しながら新しい工場に置き換える『その場建替え』。綿密な工事監理と生産計画とのマッチングがそれを実現しました。

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工場を使いながら、その場で更新するには、綿密な計画が必要ですが、コスト面や稼働等、比較にならないほど有利な方法だと思います。 昭和電工株式会社 アルミニウム事業部門 工機センター 山士家力さん


旧耐震建物であり、鉄骨の劣化等により耐震性が不足した工場を、稼働しながら新しい工場に置き換える「大屋根工法」。当時の様子について、昭和電工株式会社 小山工機保全課長 山士家(やましげ)様にお聞きしました。


移築ではなく、その場建替えが必要だったのです
 
この工場は鋳造工場ということもあって鉄骨の劣化が進み、大きな地震や雪の重みによって特に屋根面の倒壊が危惧されていました。
しかし、鋳造工場であり炉を止めることも出来ませんし、移築をするにしても設備の移動は大変なものになってしまいます。かといって全く同じものをもうひとつ作るわけにもいきません。何よりも敷地内での計画はほとんど不可能でした。
このようなことから施工は同じ場所でかつ、工場を稼働しながらという条件が前提になりました。

安全計画書にある、導線計画図

 
 
綿密な安全計画と工程の調整がポイントでした

実際の工事では、言ってみれば工事現場の中にすっぽりと工場(仕事場)が覆われてしまう訳です。この為、安全最優先を前提に事前からかなり綿密な打合せを行い、「安全計画書」を作りました。これは、大成建設さんの「工事安全計画書」でもあり、我々工場側の安全計画書でもあるわけです。
 
それぞれの安全管理責任者の選任から始まり、施工期間中の工場内での作業エリアと時間帯の確認、工事導線と工場の作業導線の区分やそれぞれの資材の搬入時間等、基本的なところに関してはあらかじめ計画をしておきました。また、いざというときの連絡体制や作業員への教育、訓練等についても取り決めを行いました。

鉄骨建方工事の様子



旧建物の解体工事の様子


 
工事が始まってからも、週1回は定例として工程の確認や作業内容等の確認進捗打合せを行いました。大きな問題はありませんでしたが、施工側と工場側の調整には苦労しました。
鉄骨の組み立てや旧建物の解体等、下部で仕事ができない様な工程は当初から工場の長期休みと併せた工程で計画しました。
 
さすがに決まった期間の休み内には収まらず、互いの希望を調整して工事期間を確保しました。
旧建物の解体も、新しい建物が完成してからになること。又、工事の長期休みに併せた実施になることで完了は2年越しとなりました。
しかし、この休みもあらかじめ生産計画に組み込んでおくことで工場の稼働には影響はなかったと思います。

旧工場の外壁を利用

旧工場の柱を利用した移動クレーンの軌道レール

 
プロジェクトを振り返って
 
設備の切り替えについては、かなり気を遣うところですが、これもタイミングよくやれました。
敷地の問題もあったのですが、大きなダクトを接続している南側の外壁は旧工場の外壁をそのまま利用しています。又、旧工場の柱(片側)についても天井クレーンがあることからそのまま利用しています。
 
旧建物を覆うかたちで新しい建物が出来ていますので、全体的に一回り大きくなっています。高さも高くなっていますので、それまで天井からつり下げていた照明では暗くなってしまうのと、メンテナンスを考え、柱を利用した照明器具としました。
今振り返ってみても、このプロジェクトではなにか問題があったという印象はありません。確かに、通常と比べて休みの期間も長めにはなりますが、定期的な計画休暇と合わせることが出来ましたし、工場の稼働にも支障はきたしませんでした。

工場を使いながら、その場で更新するというのは、確かに打ち合わせ等綿密に行わなければなりませんが、通常の移築計画等と比較してもコスト面や工場の稼働等を考えると、比較にならないほど有利な方法だと思います。

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